米Googleを傘下に持つAlphabetは3月17日(現地時間)、“ムーンショット”事業Xの無線通信プロジェクト「Taara」を、新企業としてスピンアウトしたと発表した。
Taaraは、光線を利用して、世界中のアクセスが困難な地域に高帯域幅のインターネットと電話サービスを提供することを目指す企業。CEOのマヘシュ・クリシュナスワミ氏は、2021年に解散したX傘下の気球インターネット企業Loonに参加し、同社で開発した光を使った通信の仕組みを、地上で応用するために2016年にTaaraプロジェクトを立ち上げた。
スピンアウトに際しては、AlphabetのSeries X Capitalが主導する資金調達ラウンドを実施した。
Taaraの無線光通信「Taara Lightbridge」は、高密度な都市部、河川や海の上、険しい地形や国立公園など、従来のファイバーの設置が困難または高価な地域に、無線で高速インターネットアクセスを提供する取り組み。最大20ギガビット/秒の速度と最大20キロメートルの距離で空中で情報を伝送する。
Taaraは2月末、無線光通信のための新チップを発表した。
既に数十カ国で数百のリンクを展開しており、T-MobileやVodafoneなどの企業と協力して、無線光通信の新しい展開方法を開拓している。
ムーンショットのキャプテン、アストロ・テラー氏は関連Podcastで、「すべてのプロジェクトが成功するわけではないし、われわれはそれを目指しているわけではない。重要なのは、失敗を次のムーンショットに役立てる方法を見つけることだ」と語った。
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