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不動産業界向けSaaSベンダー・イタンジ経営陣の愛読書は? “本棚”をのぞき見IT経営者の本棚(2/3 ページ)

» 2025年04月21日 10時00分 公開
[吉川大貴ITmedia]

井口俊介取締役執行役員COOの本棚

photo 井口COOの本棚・愛読書

読んでいる本についての全体的な傾向

 基本的にタイトルやカバーを見たときに気になった本は買うようにしています。ザっと分けると、(1)「そういう観点面白そうだな」という知的好奇心がそそられる本、(2)普段考えていることの言語化(人に考えを伝える)に役立ちそうな本、(3)著名な創業者などの偉人の生き方・考え方を学べる本──を選びます。

印象に残っている本

 1つ目は「感動をつくれますか?」久石譲著)です。天才的な作曲家といわれる著者において、圧倒的な作品を作るための心構えやそのための徹底した行動について書かれていて、「プロフェッショナル」とはどのような姿かを感じることができました。

 宮崎駿氏からのオーダーに対して、徹底してロジカルに考え抜いて候補を作っていく泥くささや、選曲会での緊張感など、プロフェッショナルとして働くということを具体的にイメージすることでき、私自身の仕事に対しての考え方に大きな影響を与えてくれた本です。

 2つ目は「」(司馬遼太郎著)です。幕末の越後長岡藩家老・河井継之助の生涯を描いた作品で、映画化もされています。私が長岡地方の出身ということもありますが、幕末の歴史の転換期において、自身の宿命に忠実に向き合う姿勢に大きな影響を受けました。当の継之助は、江戸・京都などで多くの知識人や権力者と交流し、江戸という時代ではまれな広い視野を持っていました。

 ただ、近い将来に江戸の時代は終わり新たな時代がやってくることは認識しつつも、運命に翻弄され、家格としては本来就き得ない家老に任命された運命を受け入れ、最後は戊辰戦争の中で旧幕府側として尽きていきます。人間は変われる・成長できる、ということは当然だが、同時に運命・役割というものに向き合う覚悟のようなものを学んだ本です。

プロフィール

 2010年に新卒でジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社に入社。約7年間、営業・トレーニングおよびプロダクトマーケティングに従事。2019年、Ross School of Business, University of MichiganにてMBAを取得し、エムスリー株式会社に入社。製薬マーケティング支援事業において、プラットフォーム系サービスのサービス事業責任者(サービスオーナー)、コンサルティング営業・CS/プロジェクトマネジメント部隊のグループリードを経験。また、グループ会社の代表取締役も務める。2024年7月、イタンジ株式会社 取締役 副社長執行役員 COOに就任。


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