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スマホの混信やフィッシング詐欺も 総務省が“偽基地局”に警戒呼びかけ

» 2025年05月02日 16時40分 公開
[ITmedia]

 総務省は5月2日、携帯電話の通信基地局を装って違法な電波を発射する、いわゆる「偽基地局」(IMSIキャッチャー)について、公式Webサイトで注意喚起した。都内周辺などで、不法無線局の疑いがある無線機器に起因する混信に加え「携帯電話が圏外になる」「不審なSMSが届く」といった事象を確認しているという。

photo 総務省の公式Webサイトより引用

 「実在するサイトを装って利用者を誘導するフィッシングは、近年、その手口がますます巧妙化しています。怪しいSMSやメールのリンクをクリックしたり、IDやパスワード、個人情報などを入力したりしないよう、くれぐれもご注意ください」(総務省)。あわせて、フィッシング詐欺の手口や相談先を紹介する専用サイトも案内している。

photo 総務省が紹介しているPDF資料『マンガでわかる フィッシング詐欺ってどんなもの?』

 Xでは4月12日ごろから、偽基地局による携帯電話の通信妨害や簡体字のフィッシングメールを、都内や大阪府周辺で確認したとの投稿が話題に。「都市部なのに携帯電話が圏外になったことがある」「簡体字の不審なSMSが届いたことがある」といった声も相次いでいた。

photo 妨害電波を発信していたとみられる車(提供:電波やくざ(@denpa893)氏)
photo 実際に送られてきたというSMS(同上)

 いずれも原因は、違法な電波によって周辺のモバイル端末を一時的に圏外にし、日本では提供されていないGSM(2G)通信を、再接続時に強制的につかませる手口とみられている。X上では「偽基地局が中国通信キャリアのIDを偽装し、インバウンド(訪日観光客)などをターゲットにフィッシング詐欺を仕掛けている」との指摘もある。

 事態を受けて、NTTドコモやソフトバンクが調査に乗り出すなど、携帯各社は警戒を強めている。村上誠一郎総務大臣も4月15日の会見で「都内周辺での混信事案を把握しており、関係機関と連携して対応している」と言及していた。

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