イオンフィナンシャルサービスは5月16日、イオンカードを悪用した詐欺事件を巡る15日のNHKの報道について、「システムにトラブルがあったかのような報道は事実と異なる」と反論した。
NHKは15日放送の「ニュース7」で、他人名義のクレジットカード情報を使い商品を購入したとして、ベトナム国籍の詐欺グループ4人と、協力したとみられる都内のコンビニ経営者が逮捕されたと報じた。
さらに事件に関連する事項として、24年9月ごろから相次いでいた、利用者が商品などを購入する際にカード会社による照会を行わない「オフライン取引」の悪用に言及。イオンカードの利用者から、カードの利用停止後も「身に覚えのない決済が行われている」という訴えが続出していたことを紹介し、原因が「イオンカードのシステムにエラーが発生していた可能性もある」とする専門家の見解を伝えた。
この報道に対しイオンフィナンシャルサービスは16日、「今回の詐欺犯罪の原因として、あたかも弊社のシステムにトラブル・エラーがあるかのような報道がなされた」との声明を発表。「自社システムについては、第三者検証で問題がないことを確認しており、NHKが報道したような事実はない」と反論した。
「今後もイオンカードは安心してご利用いただけます。万が一、不正利用に関してご不安なことがあれば、すぐに弊社までご相談ください。今後も、弊社としましては、警察当局や関係各所と密に連携を取り、不正犯罪撲滅にまい進してまいります」(同社)
イオンカードを巡っては2024年9月ごろ「不正利用されたにもかかわらず、カード会社の対応が何カ月もないまま被害が続いている」といった投稿がX上で続出。原因はオフライン取引の悪用とみられ、イオン銀行とイオンフィナンシャルサービスは10月に対応の遅れを謝罪した。
2025年3月には、2025年2月期(24年3月1日〜25年2月28日)における不正利用額が99億円にのぼり、特別損失としてこれを計上したと発表。ただし、不正利用の対応については「各種対策に取り組み、新たな被害発生の抑止が図れている」としていた。
「イオンカード」不正利用で特別損失99億円 発行元が発表 「新たな被害発生の抑止が図れている」
「イオンカード」のイオンFS、カード不正利用で“特損28億円”も増収増益
イオンカード、悪用される“オフライン取引”を説明 対応状況を明かすも「十分な対策には至っていない」
クレカの不正利用対応で物議、なぜ対応が遅れているのか「イオンカード」発行元に聞いた
イオンカード、不正利用の対応遅れを謝罪 「カード止めてと依頼しても止まらず、数十万円請求された」などの声Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR