過去最高の来場者数ということで、非常に盛り上がっていた。利用者の情報収集や、これから新規参入する目的の方も多かったようだ。また、海外企業との接点を積極的に持つ方が、やや増えたように感じた。例えば、スマート送信機やジンバルカメラなどを販売する中国SIYI(深圳)のブースや、NDAA、Blue USAに対応済みの製品を低価格で提供するベトナムGREMSYのブースでは、片言の英語で懸命に質問する姿が目立った。
韓国パビリオンには日本語の通訳者が何名もいて、とてもフレンドリーな対応だった。フライトコントローラー(ドローンの頭脳に当たる)やGPSを開発する韓国VOLOLANDの担当者は、「日本では政府関係者や大学の研究者の関心が高い」と明かした。余談だがJapan Drone 2025開幕の2週間前に米ヒューストンで開かれた世界最大級のドローンの展示「XPONENTIAL」にも出展していた(筆者も現地取材した)ことに触れると、「これがきっかけで、米国企業から受注した」と話してくれた。
やや懸念として感じたのは、海外勢とのスピードの差だ。前述のVOLOLANDは、聞けば5月のXPONENTIAL初出展で受注し、そのまま米国市場進出というスピード感だ。かたや国産ドローンは、「第一種機体認証機体」が昨年と同じ「申請中」というステータスだった。
もちろん部品と機体とでは、ましては認証制度への対応では事情は全く異なる。誰が悪いとも思わない、むしろ関係者の"顔が思い浮かぶレベル"で応援している。しかし、XPONENTIALで各国企業から言われた「日本は商習慣の違いや独特な規制があるため、進出していない」という言葉を思い出して、日本はこのままガラパゴス化していくのだろうかと一抹の不安がよぎった。
最後に、そんななか水中ドローンは勢いがあった。CESやXPONENTIALへの出展経験豊富なスペースワンは、おなじみの大水槽での水中ドローン実演や、同社がレンタル事業を開始し初お披露目となる大型LEDパネルの設置で、会場を盛り上げた。2日目には「Talk over a beer」と称しビールを振る舞う交流イベントを繰り広げていた。
水上ドローンとの「タッグ」も今後は熱くなりそうだ。7月28日・29日には静岡県清水港で実海域を活用した水中ドローン、水上ドローンのデモを行うという。担当者によると「12機種が参加予定」。Japan Drone展のネクストアクションとして、空・陸・海のドローンを「まずは動かしてみる」とよりイメージが膨らむのではないだろうか。
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