この記事は本多和幸氏と谷川耕一氏によるIT事例メディア「CaseHub.News」に掲載された「長野県信用組合 勘定系システムの刷新でOCI採用、メインフレーム脱却でオープン化」(2025年7月4日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
長野県信用組合は、勘定系システムのモダナイゼーションを目的に、Oracleのクラウドサービス「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)を採用した。データ管理基盤には「Oracle Base Database Service」を併用する。7月3日、日本オラクルが発表した。同プロジェクトはアクセンチュアの支援のもとで進められ、2027年中の本稼働を予定している。
同行はこれまで、基幹業務を支える勘定系システムをメインフレーム上で運用していたが、システムの老朽化や複雑化に伴い、柔軟性や保守性が低下する課題に直面していた。経済産業省が指摘する「2025年の崖」問題も踏まえ、レガシーシステムからの脱却が急務となっていた。
今回の刷新プロジェクトでは、勘定系システムのフルオープン化およびクラウド化を推進する。アクセンチュアが提供するリライトツール「MAJALIS」を活用し、アプリケーションのプログラム言語をCOBOLからJavaへ変換する。OSやミドルウェアもオープン系の技術へ移行することで、特定のベンダーに依存しない柔軟なシステム環境の構築を目指す。なお、Javaをベースとしたオープン勘定系システムをOCI上に構築するのは、国内の金融機関で初めての取り組みになるという。
クラウド基盤の選定にあたっては、複数のサービスを比較検討した結果、OCIの採用を決定した。金融機関のミッションクリティカルなワークロードで豊富な稼働実績を持つことに加え、「Oracle Real Application Clusters」に代表される性能と可用性、コスト面での優位性を評価したという。
新システムでは、OCI ComputeおよびOracle Base Database Serviceを活用することで、データ管理における信頼性と応答性を確保し、システム全体のパフォーマンス向上と業務効率の改善を見込んでいる。長野県信用組合は、今回のシステム刷新を通じて、将来のビジネスニーズの変化にも迅速に対応できるIT基盤を構築したい考えだ。
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