英国政府は7月21日(現地時間)、米OpenAIとAIを活用した経済成長を加速し、英国民の生活を向上させる新たな戦略的パートナーシップに関する覚書を締結したと発表した。これにより、OpenAIは英国での拠点を拡大してロンドンオフィスの規模も増強し、研究・エンジニアリングチームを強化する意向だ。
協力内容は多岐にわたり、政府機関や民間セクターへの先進AIモデルの導入を通じて、公務員の効率化や中小企業、市民の公共サービス利用を支援する。
OpenAIの「ChatGPT」は既に、英政府のAIアシスタント「Humphrey」の基盤となっており、政策立案プロセスを加速する「Consult」などのツールにも利用されている。
これらの取り組みは、英国の「AI Opportunities Action Plan」の一環だ。このプランは既に20億ポンド(約4000億円)の財政支援を受けており、英国は国家AIへの投資として最大5億ポンドを投じているという。
OpenAIのサム・アルトマンCEOは英政府の発表文に「AIは経済を変革し、成長をもたらす国家建設のための中核技術です」というコメントを寄せ、英政府の先見の明を高く評価した。
なお、英政府は7月8日には米Googleとの戦略的パートナーシップも発表している。この提携では、Google Cloudによる10万人の公務員のデジタルおよびAI分野のスキルアップ研修プログラムの提供や、Google DeepMindによる公共部門全体での効率性向上支援などが予定されている。
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