2007年2月22日には、ポータブルシリーズの続編「モンスターハンターポータブル2nd」(PSP)を発売した。モンハンポータブルの反響も受け、さらに若い世代にターゲティングした同作。結果、累計販売本数240万本を記録し、シリーズ初の100万本を突破。モンハンブームの到来を告げた。
この大ヒットを受け、カプコンは急きょ新作タイトルの開発を決める。それが拡張版に当たる「モンスターハンターポータブル2ndG」(PSP)だ。当初2ndGの開発予定はなかったため、その開発期間は約9カ月とかなり短期間で、 2008年3月27日に発売した。当時は据え置き機の続編“3”の開発も進めていたが、そのメンバーも総動員して2ndGの開発に当たったという。
「日本ではこのタイトルからモンハンを遊び始めたユーザーもすごく多い。シリーズとしては大きなステップアップにつながったタイトルだと思う」
またシリーズでおなじみのフレーズ「一狩りいこうぜ」が誕生したのも同作のプロモーションから。広告会社のコンペで登場したフレーズで、そのキャッチーさからすぐにこれを起点にプロモーションの方向性を決めていったと当時の思い出を明かす。
2ndGの発売から約1年半後の2009年8月1日、据え置き機の続編「モンスターハンター3」(Wii)を発売。当時は据え置き機と携帯機、それぞれを開発する2チーム構成で制作を進めており、この体制で生まれたのが3だという。
3で導入した新システムが「水中戦」だ。これまで地上でしかモンスターと戦うことができなかったが、プレイヤーからの要望の多さを反映し、実装へと至った。辻本プロデューサーは当時の企画書も一部公開し、その思い出を語る。
「水中戦となると接地面がなかなかないため、プレイヤーが距離感をつかみにくい。制作サイドでもかなり開発難易度が高いと認識していた。正直、遊びとして成り立たなければこの要素を切ることも視野に入れて、開発に当たっていた」
結果、実現できた水中戦だが、これにはもう一つの目的があった。それは将来実現したい「地上での立体的なアクション」の実験だ。これまでも立体的なアクションをやりたいと考えていたが、地上でいきなりチャレンジするのはリスクがあると判断。そのため、このテストも含めて水中での360度アクションの実装を進めていた。
一方で同作では「反省点も正直あった」と辻本プロデューサー。アクション面に力を注いだ結果、武器種の数を前作よりも減らす結果となった。これに関してはユーザーの期待に沿えない選択だったと振り返り、以降のタイトルでは「武器種は増やしても減らさない」と決めたという。
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