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トヨタ、EVバス「e-Palette」発売、2900万円から 27年度のレベル4自動運転対応を目指す

» 2025年09月16日 13時38分 公開
[ITmedia]

 トヨタ自動車は9月15日、自動運転EV「e-Palette」を発売した。受注生産で、価格は2900万円から。発売時点では「レベル2」相当の自動運転に対応するが、2027年度をめどに「レベル4」の対応を目指し機能を追加していく。

photo 画像は全てニュースリリースから引用

 e-Paletteは最大17人が乗車できる小型バス。最大時速は80km、航続距離は約250km。普通充電(約12時間でフル充電)に加え急速充電(約40分で約80%充電)も可能で、非常時用に給電機能も備える。シャトルバスやキッチンカーなどとしての利用を想定し、車内外にデジタルサイネージも搭載する。

 電動スロープも利用可能で、歩道側の高さがあれば車いすに乗っている場合でも自力で乗降できるという。オプションとして、社内に車いすをワンタッチで固定できる機構なども追加できる。車内の監視システムにより、ドア周辺の監視・安全確認も可能だ。ハンドルのステアリング操作量を軽減する「ステアバイワイヤシステム」により、運転手の負担も少ないとしている。

 レベル2の自動運転は、アクセルとブレーキ、ハンドル操作のいずれか1つをシステムが支援する「レベル1」を高機能化したものを指す。例えば「車線をはみ出さず、前方のクルマについて走る」がレベル2に当たる。一方レベル4は、交通事情や天候が自動運転に適している場合に、全ての運転タスクをシステムが実行する。トヨタは今後、自治体や販売店などと実証実験を進め、レベル4への対応と市場投入を目指す。将来的には車両販売店での提供も見込む。

 トヨタグループ自身も導入し、まずは東京都江東区の「TOYOTA ARENA TOKYO」や、25日にオープンする実験都市「Toyota Woven City」(静岡県裾野市)周辺などで、輸送サービスや移動型店舗用車両として提供する。

 e-Paletteは18年発表。21年の東京オリンピック・パラリンピックでは専用モデルが選手村での移動用に提供され、独特のフォルムが話題に。一方選手村では視覚障害者との接触事故も起きた。

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