米Metaは9月17日(現地時間)、年次開発者会議「Meta Connect」を開催した。マーク・ザッカーバーグCEOはその基調講演で、新しいAIメガネ「Meta Ray-Ban Display」と、その周辺機器であるEMG(筋電図)リストバンド「Meta Neural Band」を披露した。
米国では9月30日発売で、価格はセットで799ドル(約11万7000円)。2026年初頭にはカナダ、フランス、イタリア、英国への展開が計画されている。製品はブラックとサンドの2色展開で、標準と大の2つのフレームサイズが用意され、Neural Bandも3つのサイズから選択可能だ。
このセットで、スマートフォンを取り出さずにメッセージ確認、写真のプレビュー、ビジュアルMeta AIとの連携といった日常のタスクをこなせる。
Meta Ray-Ban Displayは、右レンズにフルカラーの高解像度インレンズディスプレイを搭載する。このディスプレイは必要な時に表示され、不要な時には消える仕様だ。
同社のこれまでのARメガネ同様、マイク、スピーカー、カメラ、コンピューティング、AIを単一デバイスとして提供する。既存のRay-Ban Glassのシルエットを継承しつつ、形状を再設計し、快適性と耐久性を高めるためにエッジに丸みを持たせた。ディスプレイは視野の1度あたり42ピクセル(ppd)というスペックで、独自のモジュールによってフレームサイズを増やすことなく高解像度を実現しているという。
また、Transitionsレンズと自動輝度アルゴリズムにより、屋内でも屋外でも鮮明なビジュアルが保証され、ディスプレイからの光漏れは2%に抑えられている。本体重量は69グラムで、バッテリーは混合使用で最大6時間、ポータブル充電ケースを使用すれば合計で最大30時間の駆動が可能だ。
入力デバイスのMeta Neural Bandは、筋肉活動によって生成される自然な信号を解釈し、微妙な手の動きでメガネの機能を直感的に操作できるEMGリストバンド。これにより、タッチスクリーンやボタン、ダイヤルに代わり、指の動きでサイレントスクロール、クリック、将来的にはメッセージ入力も可能になる。
EMGデータの処理はすべてデバイス上で行われ、クリックなどのイベントのみがメガネに送信されることで、コマンドが実行される。バッテリー駆動時間は最大18時間、防水性能はIPX7、耐久性、軽量性、快適性を追求したデザインとなっている。
これらの製品を組み合わせることで、メッセージングやビデオ通話、WhatsApp、Messenger、Instagram、電話からのテキストやマルチメディアメッセージをハンズフリーでプライベートに閲覧できる。さらに、ライブビデオ通話中に自分の見ているものを通話相手に見せることも可能だ。また、リアルタイムカメラビューファインダーとズーム機能による写真撮影、視覚的な地図を表示する歩行者ナビゲーション(一部都市でβ版として提供)、ライブキャプション機能によるリアルタイム翻訳・字幕表示もできる。音楽再生時には、メガネのディスプレイで再生中の曲を表示し、Neural Bandを使って操作できる。
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