米Metaが新しいスマートグラス「Meta Ray-Ban Display」を発表した。筆者はカリフォルニア州・メンローパークにあるMeta本社で、製品を試すことができた。
現状日本での発売予定はないが、「個人とAIの関係」を見通す上でとても重要な製品だと感じている。
他のXR機器やスマートグラスとどう違うのか、そしてなぜ、Metaはこの製品を「AI時代のキーアイテム」と位置付けているのだろうか。その点を解説してみたい。
「メガネは、個人向けの超知性(Super Intelligence)にとって理想的なフォームファクターだ」
Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは、同社の年次開発者会議「Meta Connect 2025」の基調講演でそう話した。
日本ではピンと来ない人が多いかもしれないが、同社のヒット商品である「Ray-Ban Meta」を受けてのものだ。
Ray-Ban Metaは2023年末に発売されたスマートグラス。カメラとマイク、スピーカーを内蔵し、スマホ上で動く「Meta AI」アプリと連携して動作する。
最も人気のある使い方は、Ray-Ban Metaに内蔵されたカメラを使い、主観視点の写真や動画を撮影することだ。だが、AI連携は本格的で、カメラで撮影した映像をAIが認識し、「目の前にあるものがなにか」「ホテルの部屋番号や駐車場の番号を覚えておいてもらう」という使い方ができる。
現状のMeta AIは日本語に対応していないし、賢さにも限界がある。しかし、もしこのままAIが賢くなり、人を超えた「超知性」になったら? それを自分のためのアシスタントとし、生活を助けてくれるようになるとしたら?
Metaだけでなく、多くの企業が「Ray-Ban Metaライク」なスマートグラスを作っており、大きなトレンドになっている。
一方で、ザッカーバーグCEOはこうも言う。
「Ray-Ban Metaを購入した人から寄せられるもっとも多い要望は、『写真を撮影したらそのまま見たい』というもの。この製品で要望に応えられる」
すなわち、Ray-Ban Metaにディスプレイをつけ、写真や情報、AIの回答を、スマホを取り出すことなく確認できるようにしたのがMeta Ray-Ban Display......というわけなのだ。
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