米IBMと米Anthropicは10月7日(現地時間)、戦略的提携を発表した。この提携により、AnthropicのAIモデル「Claude」をIBMのソフトウェアポートフォリオに組み入れることで、生産性向上が実現され、セキュリティー、ガバナンス、コスト管理がソフトウェア開発のライフサイクルに直接組み込まれるとしている。
この提携を通じて、ClaudeはIBMのソフトウェア製品に統合される。まず、IBMの“新しいAIファーストな統合開発環境(IDE)”に導入される。このIDEは、企業向けソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)全体を支援するための高度なタスク生成機能を備えて設計されているという。
このIDEは現在、特定のIBMクライアントを対象としたプライベートプレビューで提供されている。初期テストでは、IBM社内の6000人を超える早期採用者がこの新しいIDEを使用し、コード品質とセキュリティ基準を維持しながら、平均45%の生産性向上を報告しているという。
Anthropicのマイク・クリーガーCPO(最高製品責任者)は発表文で、安全性と信頼性に注力しているため、Claudeは世界最大手の企業の開発者にとって頼れるAIとなっていると語った。
潜在的なユースケースとしては、大規模なコードベース全体でコンテキスト認識を伴う自動システムアップグレードやフレームワーク移行、多段階のリファクタリングといった大規模なアプリケーションのモダナイゼーション、エンタープライズアーキテクチャパターンやセキュリティ要件を理解するインテリジェントなコード生成とレビュー、「シフトレフト」の脆弱性スキャンや量子安全な暗号化移行を促進するセキュリティを最優先した開発などが考えられる。
IBMは、AI展開のためのオープンスタンダードを進展させるため、企業レベルの資産をMCP(Model Context Protocol)コミュニティに貢献する予定だ。
今回の提携の一環として、IBMはAnthropicが検証したエンタープライズAIエージェントの開発、運用、セキュリティ要件のための構造化されたアプローチであるエージェント開発ライフサイクル(ADLC)に焦点を当てたガイド「Architecting Secure Enterprise AI Agents with MCP」を作成した。IBMは、製品統合アプローチの一環として、Claudeをさらに多くのIBM製品に組み込む計画を探求している。
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