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高市新政権、IT・テクノロジー政策はどうなる? 注目すべき「4つの領域」を予測する(1/2 ページ)

» 2025年10月24日 13時00分 公開
[西田宗千佳ITmedia]

 第104代内閣総理大臣に高市早苗氏が就任、高市内閣が発足した。

第104代内閣総理大臣に就任した高市早苗氏(写真:Reuters)

 編集部から「この結果どのような変化が起きるのか」というお題で記事の依頼をいただいたが、なかなか難しい内容だ。

 日本は米国などと異なり、政党内での力関係や方向性で首班が決まる場合が多い。良くも悪くも劇的にかじ取りが変わることは少なく、「バイデン政権からトランプ政権に」といったような変化は起きづらい。

 その中でも、現在日本が直面するIT・テクノロジー方面で考えられる変化や状況についてまとめてみよう。

経済安全保障分野で外せない「4つの領域」

 高市政権は右寄りだといわれる。他国協調・変革よりも日本の利益を優先する政策になっていく、という傾向は出そうだ。

 その観点で首相就任会見を見ると、「AIや半導体、量子などの戦略分野に官民連携フレームワークを構築し、短期・中期・長期の目標とロードマップを策定する必要がある」と述べている。これまでの政策を継承する部分が多いとは考えられるが、政策でイニシアチブを取りつつも、民間投資をうまく回す方向で、長い視点での方針を構築する方針である、と考えることができそうだ。

 IT政策、さらにそこにひも付いた経済安全保障の観点では、4つの領域に注目した。

 1つ目は「半導体政策」だ。

 自動車を中心とした国内産業でのニーズを背景に、最新のものだけでなく、普及レベルのものを含めた「必要になる半導体入手の確実性を高める」ことが、経済安全保障の中でも重要な課題になる。

 国際競争力維持、という面で主軸となる政策だが、ここ数年の「国内生産拠点強化」という姿勢は堅持するものと思われる。大規模投資・地域の電力確保・出荷に伴う交通整備の3点が必須であり、速度感を維持するためにも、官民一体での取り組みが必須ではある。熊本の台湾TSMC工場誘致や、北海道でのラピダス誘致の例が典型的だ。

 高市政権ではこの路線に政治の側から強く介入し、方向性を強めていく可能性は高く、中でも「国産技術」の推進に重点を置くだろう。だとすると、ラピダスへの投資は重要性を増す。さらなる公的資金投入は十分にあり得る。

 半導体製造にしろ、その半導体を使うAIなどのデータセンターにしろ、十分な電力が必要であることは間違いない。原発の再稼働を含めた電力調達政策も重視される。高市総理は「自然の中のメガソーラー」には明確に反対の意向を示しており、都市型の太陽光発電施設へのシフトが進む。長期的には、核融合などのコア技術投資も積極的な方向だ。

 他方で、最先端技術は日本だけで作れるものではない。特に米国にはすでに投資を確約した経緯もあり、米国企業との共同生産や技術共有機会の拡大もあるだろう。

 素材や製造技術については日本企業に強みがある部分も多く、その立場を堅持することは国益にかなう。そのため、技術流出などの対策をより強固なものにする……という流れはあるだろう。対中国、という姿勢も強化され、企業買収の事前調査・出資比率制限といった部分での厳格化が行われると予想される。

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