高市新政権、IT・テクノロジー政策はどうなる? 注目すべき「4つの領域」を予測する(1/2 ページ)
第104代内閣総理大臣に高市早苗氏が就任、高市内閣が発足した。
編集部から「この結果どのような変化が起きるのか」というお題で記事の依頼をいただいたが、なかなか難しい内容だ。
日本は米国などと異なり、政党内での力関係や方向性で首班が決まる場合が多い。良くも悪くも劇的にかじ取りが変わることは少なく、「バイデン政権からトランプ政権に」といったような変化は起きづらい。
その中でも、現在日本が直面するIT・テクノロジー方面で考えられる変化や状況についてまとめてみよう。
経済安全保障分野で外せない「4つの領域」
高市政権は右寄りだといわれる。他国協調・変革よりも日本の利益を優先する政策になっていく、という傾向は出そうだ。
その観点で首相就任会見を見ると、「AIや半導体、量子などの戦略分野に官民連携フレームワークを構築し、短期・中期・長期の目標とロードマップを策定する必要がある」と述べている。これまでの政策を継承する部分が多いとは考えられるが、政策でイニシアチブを取りつつも、民間投資をうまく回す方向で、長い視点での方針を構築する方針である、と考えることができそうだ。
IT政策、さらにそこにひも付いた経済安全保障の観点では、4つの領域に注目した。
1つ目は「半導体政策」だ。
自動車を中心とした国内産業でのニーズを背景に、最新のものだけでなく、普及レベルのものを含めた「必要になる半導体入手の確実性を高める」ことが、経済安全保障の中でも重要な課題になる。
国際競争力維持、という面で主軸となる政策だが、ここ数年の「国内生産拠点強化」という姿勢は堅持するものと思われる。大規模投資・地域の電力確保・出荷に伴う交通整備の3点が必須であり、速度感を維持するためにも、官民一体での取り組みが必須ではある。熊本の台湾TSMC工場誘致や、北海道でのラピダス誘致の例が典型的だ。
高市政権ではこの路線に政治の側から強く介入し、方向性を強めていく可能性は高く、中でも「国産技術」の推進に重点を置くだろう。だとすると、ラピダスへの投資は重要性を増す。さらなる公的資金投入は十分にあり得る。
半導体製造にしろ、その半導体を使うAIなどのデータセンターにしろ、十分な電力が必要であることは間違いない。原発の再稼働を含めた電力調達政策も重視される。高市総理は「自然の中のメガソーラー」には明確に反対の意向を示しており、都市型の太陽光発電施設へのシフトが進む。長期的には、核融合などのコア技術投資も積極的な方向だ。
他方で、最先端技術は日本だけで作れるものではない。特に米国にはすでに投資を確約した経緯もあり、米国企業との共同生産や技術共有機会の拡大もあるだろう。
素材や製造技術については日本企業に強みがある部分も多く、その立場を堅持することは国益にかなう。そのため、技術流出などの対策をより強固なものにする……という流れはあるだろう。対中国、という姿勢も強化され、企業買収の事前調査・出資比率制限といった部分での厳格化が行われると予想される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
睡眠中に「ピンクノイズ」を聞くと“脳内ゴミ”の洗い流しが強まる? 米MITが人間で実験 Science系列誌で発表
-
2
「Androidのマイナンバーカード」提供へ 20日から 物理カードなしでも本人確認など可能に
-
3
タイムズカー漏えいで集団訴訟の動き、登録3000人弱 呼び掛けた弁護士に聞いた──「謝罪で済む案件ではない」
-
4
免許証の悪用防止で申し込み集中 JICCがアプリ受付を一時休止 タイムズカー漏えいの影響か
-
5
「アバハウス」全顧客の情報漏えいか 会員・受注DBに不正アクセス 「不審な返金メール届いた」報告で判明
-
6
靴のムーンスター、顧客情報漏えいの可能性 氏名や住所、注文情報など
-
7
第一生命に不正アクセス 従業員情報12万人分漏えいか 退職者も対象
-
8
Amazon、データセンター批判に反論 10億ドル超の地域支援策も発表
-
9
Apple、macOSの「フルディスクアクセス」に追加の制御を導入へ 「AIエージェントの進化でリスクが大幅に増大」
-
10
ローソンのメールサーバが踏み台に、不審メール約70万件送信 件名「RE」など
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR