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コンデジ復活の象徴、キヤノン「IXY 650m」に触れて改めて思う“スマホでは味わえない楽しさ”とは?(3/3 ページ)

» 2025年11月29日 13時14分 公開
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 また、IXY 650mに搭載されている「クリエイティブショット」や「プラスムービーオート」といった機能は、当時はどちらかといえば写真好きが使うマニアックなもの、という印象でした。しかし、SNSが日常となった今、これらの機能は、誰でも簡単に“映える”写真や動画を作ってくれるツールへとその意味合いを変えています。

 クリエイティブショットは、シャッターを押すだけで、カメラが自動的に構図や色合いを変えた6種類の画像を作成してくれます。中にははずれっぽいものもありますが、その中からお気に入りの一枚を選んで、すぐにスマートフォンへ転送。データが軽いため転送も驚くほど速く、撮影からSNS投稿までが実にシームレスです。この使い勝手の良さは、まさに今の方がわざわざコンデジを買う人が使うニーズに合致していると言えるでしょう。

クリエイティブショットの例。色合いだけではなくいろんな比率の写真を自動的に作成する

 もちろん、CanonのスマホアプリCamera Connectも快適に使えます。一度登録してしまえば、次回以降はワンボタンでスマホと接続できるため、撮った写真をすぐにSNSにアップすることができます。

当時と比較するとスマホへの転送も快適に

 新品のコンデジが市場から姿を消しつつある中で、IXY 650mは「今、新品で買える貴重な選択肢」として、かつてのコンデジユーザーからも注目されるでしょう。手持ちのコンデジが壊れたら、もう妙に高くなってしまった中古品しかないという状況はやっぱり異常だったのです。

 IXY 650mはコンデジが本来持つべき「手軽さ」「楽しさ」という原点をそのままマイナーアップデートで復活させたコンデジです。そのため、最先端の技術が盛り込まれているわけではありませんが、価格も抑えられ、コンデジが欲しいと思った人が手に取りやすいカメラとして再登場しました。

 “スマホで十分”な時代だからこそ、「スマホでは味わえない体験」に価値が生まれる。IXY 650mは、私たちにカメラの純粋な楽しさを思い出させてくれる、そんな一台となっています。これが普通に買えることのありがたさを復活させたキヤノンにエールを送りたい気持ちです。

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