このLeft of BoomあるいはLeft of Leftを具体的に実践するための新しいフレームワークとして、米Gartnerなどが提唱しているのが「CTEM」(Continuous Threat Exposure Management:継続的な脅威エクスポージャー管理)という概念だ。CTEMは、単なるツールの名前ではない。以下のようなプロセスを回し続ける、経営レベルの取り組みも含めた一連の行動を指す。
従来のアプローチとCTEMの決定的な違いは、「ビジネス視点での優先順位付け」にある。技術者は「全ての脆弱性を修正したい」と考えがちだが、それは現実的に不可能だ。CTEMは「ハッカーが明日使ってくるかもしれない、ビジネスを止める穴」にリソースを集中するという発想だ。
CTEMを具体的に実現・推進するための製品やサービスも登場し始めている。ここでは米SafeHillと、イスラエルのMalanta、Kelaという3つのサイバーセキュリティ企業の取り組みを挙げよう。
SafeHillは米国シカゴが拠点で、攻撃者視点でセキュリティリスクを評価することに強みを持つ。特に注目されるのが、共同創業者の1人であるヘクター・モンセガー氏の存在だ。モンセガー氏は、ハッカー集団「LulzSec」の事実上のリーダーという異色の経歴を持つ。かつては政府や企業のシステムへの侵入を繰り返す犯罪者だったが、2011年に逮捕された後はFBIの協力者となり、300件以上のサイバー攻撃を阻止した実績がある。
ハッカーがどう攻撃対象の環境を見て、どのような順番で攻撃経路を探るのか。SafeHillは、モンセガー氏の知見を生かしたAIを開発。脆弱性の数を数えるだけでなく、攻撃者の行動を模倣して環境の弱点を炙り出すという。このAIの分析に基づき、SafeHillは人間のホワイトハッカーによるペネトレーションテストを実施し、その結果を企業に提供することでCTEMを後押しする。
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