日本初の民間企業による人工衛星軌道投入を目指すスペースワンは12月15日、小型ロケット「カイロス」3号機の打ち上げ予定日を2026年2月25日と発表した。併せて、予告していたクラウドファンディングを「READYFOR」で始めた。
同日、YouTubeでライブ配信した「クラファン発表会」で同社は「社員一同、人生をかけて臨みたい」と3号機打ち上げに向けた決意を表明。「この挑戦を皆と共有したい、スペースワンのことをもっと知ってほしい」とクラファンを実施する目的を説明した。
支援プランは、個人向けと法人・団体向けの計21プラン。支援金額も5000円から1000万円までと幅広い。目標金額は8000万円で、支援金は3号機打ち上げに掛かる輸送費や組み立ての業務委託費など「打ち上げを円滑に進めるための費用」に充てる予定だ。また射場のある和歌山県串本町と那智勝浦町に還元するための観光事業にも活用するとしている。
返礼品には、ロゴ入りTシャツや作業着などの各種“打ち上げ応援グッズ”から、打ち上げに使われるシュラウドリングの実物(証明書付き)、打ち上げを特等席で見学できる宿泊プラン、ロケット系VTuber・宇推くりあさんとスペースワンによる特別配信の視聴権などを用意した。
なお、クラファンの実施期間は72日間あるが、1月4日までに支援した人には打ち上げ前にリターンが届くようにする。とくに先着1000人(プラン問わず)は、「メッセージを宇宙に届ける」権利付き。支援者の名前と30文字以内のメッセージをカイロスロケット3段目のデカールにプリントし、ロケットと一緒に地球を周回する。
スペースワンは、キヤノン電子、IHIエアロスペース、清水建設、日本政策投資銀行が2018年に設立した宇宙輸送ベンチャー。2024年3月のカイロスロケット1号機は打ち上げ直後に爆発し、同年12月の2号機は打ち上げ後に飛行経路が大きくずれて飛行中断措置を実行したため、衛星を軌道投入するには至っていない。
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