09年に中国政府が国民に西側の主要ソーシャルメディア利用を禁止した後、Metaは中国市場への復帰に注力。中国からの収入は、全体の11%を占めるまでになった。
中国でのMetaの成功は、世界中の消費者にネットを通じて直接販売するSheinとTemuが主導してきた面がある。この2社はMetaにとって世界最大の広告主で、24年7月の文書によると、FacebookとInstagramに毎日平均で計1700万ドルを投じている。両社の広告は、Metaの詐欺広告問題との関連は指摘されていない。3位の広告主は米Amazonで、1日あたり480万ドルを投じていた。
内部文書によると、詐欺広告は通常、Metaの提携する代理店に採用された中国の中小企業から出稿される。
世界の大半の地域ではFacebookやInstagramの広告主は、広告主のアカウントや関連ページにリンクされたビジネスプロフィールを通じて広告を購入する。だが、中国の場合は企業がこれらのプラットフォームへ簡単にアクセスできないので、Metaは11の主要代理店(第1級リセラー)に報酬を支払い、広告主のために「代理店アカウント」で広告を運用してもらっている。
Metaはこれらのアカウント経由で購入された広告について、代理店に約10%の手数料を支払い特別扱いしている。内部文書によると、例えばこうした広告が自動システムで規則違反と判定されても、即座には削除しない。疑わしい広告は、人間による二次審査を受けるまで有効なままとなる。Metaの担当者が忙しければ、審査には数日かかることもあり、場合によっては「棚ざらし」されたままで、広告が表示され続ける。
ある文書は、二次審査に時間がかかるため、詐欺を行う側は大量のインプレッションを獲得する目的を達成してしまうと言及している。
Metaはまた、中国のパートナーが小規模代理店などとアカウントを共有することも認めており、そうした慣行のためにMetaが取引相手の実態を一層把握しにくくなっている。
このためPropellerfishの報告書は、Metaによる不適切広告の厳密な監視は不可能だとの見解を示した。
ある広告最適化の専門家はPropellerfishに「規則違反かどうかなどわれわれには大した違いにならない」と言い切った。
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