米Anthropicは2月4日(現地時間)、YouTubeの公式チャンネルで4本の広告動画を公開した。米Wall Street Journalなどによると、これらのCMの一部は、米国の人気スポーツイベントであるスーパーボウルで放映される見込みだ。
一連の動画には「Ads are coming to AI. But not to Claude.」(AIに広告がやって来る。だが、Claudeには来ない)というタイトルが付いている。自社の対話型AI「Claude」を訴求する内容で、広告を組み込んだAIチャット体験への違和感を風刺的に描き、競合の米OpenAIを強く意識したメッセージとなっている。
例えば「どうすればすぐにシックスパックになれるの?」という30秒CMでは、公園で懸垂をしている若者が、筋骨隆々の男性に腹筋を割る方法を尋ねる。男性はAIの回答を思わせる理路整然とした説明を始めるが、途中から突然、身長が伸びるという架空のインソール商品の広告を読み上げる。画面には「Ads are coming to AI. But not to Claude」という文言が表示される。
別のCM動画は、セラピーの場面を舞台に、感情的なつながりを求める男性に対し、セラピスト(実際にはスマートフォン上のAI)が不適切な出会い系サイトを勧めるという展開で、やはり広告が文脈を壊す様子を皮肉っている。BGMはDr. Dreの「What’s the Difference」だ。
Anthropicは同日、Claudeを今後も広告なしで提供する方針を改めて表明した。広告は一度導入されると収益目標や製品開発と結びつき、拡大していく傾向があると指摘し、ユーザーの利益と一致する立場を保ちたいと説明している。
OpenAIはChatGPTに広告を導入すると発表した際、回答内容には影響せず、広告主が会話内容を見ることはないと説明した。広告は明確に表示され、政治やメンタルヘルスなどのセンシティブな話題では表示せず、18歳未満には配信しないとしている。
OpenAIのサム・アルトマンCEOはAnthropicのCMについて、Xに長い感想をポストした。「面白くて笑った」としつつも、ChatGPTが実際には行わない形の広告表示を描いており「明らかに不誠実な印象操作だ」と批判した。OpenAIは無料でAIにアクセスできることが人々の主体性を生むと考えており、有料プランでは広告を表示しないと説明(実際には低価格プランには表示する計画だ)。Anthropicは富裕層向けの高価な製品提供に加え、AIの使い方や他社のビジネスモデルまで制限しようとしていると指摘し、そうした姿勢は危険だと警鐘を鳴らした。さらに、OpenAIもスーパーボウルでCMを放映することを予告した。
Anthropic、AIへの広告導入はしないと宣言 「Claudeは思考のための純粋な道具であるべき」
ChatGPTに月額1500円の「Go」プラン登場 広告表示テストも開始
Google、「AI Mode」と「AIによる概要」に広告掲載へ まずは米国のデスクトップで
OpenAI、ChatGPTの日常使いをテーマにした新CM動画を公開Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR