Anthropic、AIへの広告導入はしないと宣言 「Claudeは思考のための純粋な道具であるべき」
米Anthropicは2月4日(現地時間)、AIチャットボット「Claude」に広告を表示しない方針を改めて明確にした。
同社はClaudeを、ユーザーが思考に没頭し、創造的な作業を行うための「思考の場」と定義しており、広告の導入は、その本質的な価値を損なうものだと主張する。広告モデルを採用した場合、AIの回答がスポンサーの意向に左右されるなど、情報の客観性や中立性が失われる懸念があるとし、例えば、ユーザーが睡眠に関する悩みの解決策を求めた際、真に有用な助言ではなく、製薬会社の広告予算に影響された特定の製品が優先的に提示されるようになれば、道具としての信頼性は根本から揺らぐことになると説明した。
既存のデジタル広告には大きく分けて検索連動型とソーシャルメディア型の2種類あるが、AnthropicはこれらがいずれもAI対話の体験には不適切であると説明する。検索連動型広告は、回答の中に特定の選択肢を紛れ込ませることでユーザーを誘導し、情報の純度を下げてしまう。一方、ユーザーの関心を長く引きつけることを目的としたソーシャルメディア型広告は、個人の時間を奪い、本来の目的である作業の効率化や集中を妨げる結果を招く。広告を排除することは、ユーザーの注意力を商品として切り売りしないという同社の姿勢の表れでもあるとしている。
また、サードパーティとの関係でも、広告を表示しないことで利益相反を回避する狙いがあるという。一般的な広告モデルでは、サービス提供者はユーザーではなく広告主の利益を優先せざるを得ない局面が生じるが、Anthropicはユーザーとの直接的な関係を重視し、ユーザーの利益に直結するプロダクト開発を優先できるとしている。
一方、競合他社は対話型AIへの広告導入に向けた動きを加速させている。米Googleは、Google検索上の「AIによる概要」や「AIモード」にユーザーのクエリに関連性の高い検索広告やショッピング広告を表示する取り組みを既に本格化させている。また、米OpenAIも1月、「ChatGPT」の新たな低価格有料プランの導入と併せて、広告表示のテストを開始したと発表している。
Anthropicは、「ネットを使う経験から、オンラインサービスには広告がつきものだと思い込みがちだが、ノートや丁寧に作られた道具には広告は表示されないものだ。Claudeも同様に働くべきだと私たちは考えている」という。
Anthropicは同日、YouTubeチャンネルで、「Ads are coming to AI. But not to Claude.」(AIに広告がやって来る。だが、Claudeには来ない)という一連の広告動画を公開した。いずれも広告を組み込んだAIチャット体験への違和感を風刺的に描き、競合の米OpenAIを強く意識したメッセージとなっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
佐川急便、不正アクセスで個人情報流出か 送り主・届け先の氏名や住所など、約100日分の荷物データ対象
-
2
免許証の悪用防止で申し込み集中 JICCがアプリ受付を一時休止 タイムズカー漏えいの影響か
-
3
睡眠中に「ピンクノイズ」を聞くと“脳内ゴミ”の洗い流しが強まる? 米MITが人間で実験 Science系列誌で発表
-
4
「写真で一言 ボケて」きょう午後8時にサービス終了 18年・1億超のボケに幕
-
5
免許証の悪用防ぐ届出集中、CIC・JICCで手続き遅延 タイムズカー情報流出直後に
-
6
ドラッグ&ドロップ操作ミスで……TOPPAN、損保ジャパン契約者17万人分のデータを他社に誤送付
-
7
アンケート結果をダウンロードしたら他社の従業員情報が…… ベネフィット・ワン、1万3460人分漏えい
-
8
日本原子力機構に不正アクセス 研究者の顔写真付き身分証など漏えい
-
9
「Gポイント」不正アクセスで一時停止 「会員識別子」約7万件漏えいか KDDI不正会計問題のジー・プランが運営
-
10
セイコーマート、会員のほぼ半数に当たる情報漏えい 約57万人分
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR