この記事は新野淳一氏のブログ「Publickey」に掲載された「Herokuが事実上のメンテナンスモードに移行。新機能の導入よりも品質と運用の維持に重点を置くと発表」(2026年2月9日掲載)を、ITmedia NEWS編集部で一部編集し、転載したものです。
米Salesforce傘下でPlatform as a Service(PaaS)を展開している米Herokuは、事実上のメンテナンスモードへ移行することを明らかにしました。
今後は新機能の導入よりも品質と運用の維持に重点を置くとしています。
同社が2月6日付で公開したブログ「An Update on Heroku」で、次のように説明が記されています。
Today, Heroku is transitioning to a sustaining engineering model focused on stability, security, reliability, and support. Heroku remains an actively supported, production-ready platform, with an emphasis on maintaining quality and operational excellence rather than introducing new features.
本日、Herokuは安定性、セキュリティ、信頼性、サポートにフォーカスした持続的エンジニアリングモデルへ移行します。Herokuは引き続き積極的にサポートが提供される本番環境に対応したプラットフォームであり続けますが、新機能の導入よりも品質維持と運用上の卓越性に重点を置くことになります。
顧客に提供される機能などに変更はないものの、大企業向けプランのHeroku Enterpriseの新規契約は提供されなくなります。
この事実上のメンテナンスモードへの移行の理由として、同社がAI分野にフォーカスすることが挙げられています。
We’re focusing our product and engineering investments on areas where we can deliver the greatest long-term customer value, including helping organizations build and deploy enterprise-grade AI in a secure and trusted way.
私たちは、企業がエンタープライズグレードのAIを安全かつ信頼できる方法で構築・展開できるよう支援するなど、長期的に最も多くの顧客価値を提供できる分野に製品およびエンジニアリング投資を集中させているのです。
HerokuはRuby on Railsを提供するクラウドプラットフォームとして登場し、PaaSの先駆けとして多くの注目を集めました。
特に同社が公開した「The Twelve-Factor App」は、Softaware as a Serviceに代表されるモダンなWebサービスを構築するためのアーキテクチャとして繰り返し参照される文書となりました。
一方で、DockerやKubernetesといった新たな分散処理基盤技術やAWS Lambdaに代表されるサーバレスコンピューティングといった新たなアプリケーションプラットフォームの登場は、先行者として得ていたHerokuの優位性を少しずつ奪っていくこととなりました。
そうした中で、ここ数年の生成AIブームはIT業界を大きく変えようとしており、Herokuの親会社であるSalesforceも生成AIを用いたサービス提供へと資源を集中させようとしています。
今回のHerokuの発表は、こうした背景があると見られます。
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