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Skeb、12月の大規模障害は「Heroku障害ではない」「完全に解決」 詳細は触れず

» 2023年01月23日 17時19分 公開
[吉川大貴ITmedia]

 クリエイターに有償でイラストなどを発注できるサービス「Skeb」を提供するスケブ(東京都千代田区)は1月23日、2022年12月に発生した障害について「セールスフォース・ジャパン担当者との協議を経て、完全に解決した」と発表した。原因がクラウドサービス「Heroku」の障害でないことを確認したという。

 Skebでは12月23日から24日にかけて障害が発生。当時の発表では、原因はHerokuのアカウントにあったとしていた。ただし詳細に不明点があり、解決後も問題の経緯を探っていたという。

photo イラスト発注サービス「Skeb」

 スケブによれば、セールスフォース・ジャパンは障害の解決後、12月28日にスケブを訪問。原因がHerokuの障害ではないことを確認した他、セールスフォース・ジャパンが当時把握していた状況について説明を受けたという。その後協議を経て、1月23日に問題の解決に至ったとしている。ただし障害が起きた実際の原因については説明していない。

 セールスフォース・ジャパンは今回の対応に関するITmedia NEWSの取材に対し、「Salesforceでは信頼が最も重要な価値観です。カスタマーサクセスを支援するための当社テクノロジーのセキュリティ、パフォーマンス、可用性ほど重要なものはありません。本件について、私たちは契約に基づいて行動したことを株式会社スケブに丁寧に説明させていただいております」(原文ママ)とコメントした。

 障害は23日午後12時22分から24日午前7時にかけて発生。障害の期間中はユーザーによるSkebへのアクセスなどがしにくい状態だった。当時、スケブは「Skebは全てのサーバとシステムをHerokuに設置していたが、障害発生時刻より同サービスのアカウントが理由の通知なく利用できなくなった」としていた。

 事態を受けたスケブは、Herokuのサポート窓口に問い合わせ。しかし返答がなかったことから、Heroku提供元の日本法人であるセールスフォース・ジャパンを通して再度状況を確認しようとした。それでも復旧の見込みが分からなかったので、Herokuの利用を中止し、全てのサーバ・システムを別のクラウドサービスに移管して対応した。

 Skebでは、今回の障害により1500万円相当の機会損失が発生したという。スケブは12月26日時点で「Skebでは月間約5億円の取引があるが、今回の障害で1500万円相当の取引の機会損失が発生した。しかし、12月26日午前8時現在もHerokuから詳しい状況説明はなく、詳細な経緯は判明していない。厚いサポートをうたうエンタープライズ契約を締結しているにもかかわらず、このような対応は大変遺憾」とコメントしていた。

photo 事態の経緯(スケブの発表から引用)

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