住宅設備大手のLIXIL(リクシル)は、便器からのあふれを事前に検知し、タンクからの注水を自動で止める機能が付いたIoT(モノのインターネット)トイレ「パブリック向けクイックタンク式床置便器」を4月に発売する。従来の大型店向けの製品を、小規模店でも設置できるように改良した新製品だ。IoT技術によって、不特定多数の人が使うトイレの利用管理に最適な仕組みで、同社は「清掃員の負担軽減や人件費削減に貢献する」とアピールする。
このトイレは、詰まりによる水位上昇をセンサーが検知すると給水を自動で停止し、汚水のあふれを最小限に抑える優れモノだ。インターネットと接続されており、詰まりが発生した際には店の従業員や管理者、清掃員らにリアルタイムで通知する機能が付いた。
これまで同社は、百貨店や駅など大規模な施設向けの製品を開発・販売してきた。それを小規模店や水圧の低い場所でも使えるようにした。コンビニエンスストアや雑居ビル内の飲食店、クリニックといった場所での設置が想定される。
同社の開発担当者である斉藤淳主査によると、コンビニなどのトイレでは、ビニール袋や食品を包装するラップなど、オフィスではボールペン類を誤って落とし、流してしまうことによる詰まりの事例が多いという。こうした詰まりが発生すると、利用者は反射的に水洗ボタンを何度も押してしまうことがあり、「それがかえって、あふれ被害の拡大につながることが多い」(斉藤主査)という。
斉藤主査は「トイレはひとたびあふれると、個室を数時間も閉鎖しなければならなくなることがある。他の個室にも影響したり、悪臭が発生したり、従業員の作業時間を割いたりと、単に便器の復旧だけにとどまらない大変な状況となる」と指摘する。センサーが注水を瞬間的に止めるので、床への被害を最小限に抑えられるほか、詰まりに伴う問題や負担の未然防止・軽減が期待できるという。
同社は、この製品を導入すれば、これまでの定期巡回型清掃に比べ、作業時間が最大45%削減できると試算する。斉藤主査は「清掃員は求人しても人が集まらない。こうした問題は雇用側の頭を悩ませている。従業員を省力化させ、人件費の抑制を後押ししたい」と述べた。
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