ITmedia NEWS > 製品動向 >

ビジネス向けにも影響? 9万9800円の「MacBook Neo」が突きつけた低価格PCの“新基準”(1/3 ページ)

» 2026年03月17日 09時00分 公開
[西田宗千佳ITmedia]

 3月11日に、「MacBook Neo」が発売された。10万円を切る低価格で注目されているが、その実力はどのようなものなのだろうか?

 高コスパの製品だけに、教育市場だけでなくビジネス市場への影響も考えられる。「Windows」や「Chrome OS」との競合も考察しつつ、その位置付けを考えてみた。

MacBook Neoとはどんな製品か

 まずはMacBook Neoの実機を見ながら、その特性を確認してみよう。

 10万円を切る低価格ではあるが、カラーバリエーションはかなりしっかり作られている。アルミのボディだけでなく、ゴム足やキーボードまで色を合わせてある。

MacBook Neo。カラーはブラッシュ・日本語キーボード
同じくMacBook Neo。カラーはインディゴ・USキーボード

 キーボードにはバックライトがなく、重量は「MacBook Air」と同じ1.23kg。ボディが特別薄いわけでもない。だが、安っぽくはなく、キーボードやタッチパッドの感触も悪くない。

 動作は十分に快適だ。ウェブの利用や文書作成などで動作の遅さは感じない。

 もちろん、すべての動作が速いわけではない。「Lightroom」で写真を加工、それを書き出す時の速度は「M5」などに比べ倍以上の時間がかかることもあった。上位機種との差は明確だ。

 バッテリー持続時間は、カタログ表記上はビデオストリーミング利用時で最大16時間。「MacBook Pro」が最大24時間であるのに比べると差は大きい。バッテリー搭載量も、36.5Whと、MacBook Air(53.8Wh)やMacBook Pro(72.4Wh)に比べかなり少ない。そのためか、MacBook Proの動作に慣れた人間から見ると、バッテリー消費速度は速いと感じる。とはいえ、1日の作業なら持つだろう。

 インタフェースはUSB-Cが2つ。手前がUSB 2で後ろがUSB 3という変則的な構成であるのは気になるが、「わかっていれば対処できる」範囲ではある。

本体左側面。USB-C端子は2つ。一番手前のスリットはスピーカー

多くのソフトが「思った以上に快適に動く」

 こう考えると、MacBook Neoは確かにコストを下げた製品だと感じる。だが、実用性は想定以上に高い。

 発売前のレビュー期間から一週間くらい使っているが、少なくとも、「遅くてとても使い物にならない」と感じたシーンはない。

 動かなかったソフトも、とりあえずは見つからなかった。「Parallels Desktop」のように別のOSを動かす仮想化ソフトも動作はした。ただし、メインメモリが8GBなので、その上で動くWindows仮想マシンのメモリ割り当ては4GB程度になり、実用的に使い続けるのはちょっと難しい。GPU性能の不足から、ハイエンドなゲームを高画質設定で動かすことはできなかった。だが、それは「そういうもの」であり、当然だ。

 これが「iPhone」と同じ「A18 Pro」・8GBで動いて、アメリカでは学生向け限定とはいえ499ドルで売られていると思うと、正直、強烈なコストパフォーマンスだ。

 ベンチマークソフト的に言えば、MacBook Neoの速度は、2020年発売の「M1搭載MacBook」より少し速い程度と判断できる。

Geekbench 6によるMacBook Neoのベンチマーク結果。赤枠内がNeoのもの。
Geekbench 6によるMacBook Neoのベンチマーク結果。赤枠内がNeoのもの。

 8GBというメモリに注目が集まるが、実は「256GBから」というストレージ量の方が厳しいかもしれない、と考える。OSによる消費や仮想記憶で使う分を考えても、自由に使えるのは実質120GBくらいだろう。MacはiPhoneに比べアプリもデータも大きくなる傾向があるから、積極的にクラウドを使ってデータを退避していかないと厳しいだろう。上位機種である512GBモデルの方をお勧めしたいが、その場合価格は2万円上がる。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

あなたにおすすめの記事PR