小寺信良のIT大作戦
「BeReal」──若者特有の同調心理を巧みに刺激する“自己露出型サービス”の功罪(4/4 ページ)
例えば女性なら、親友にはスッピンを見せることはありうる。それと同じように、盛らない写真、いけてない自分を共有することで、誠実さと親密さを表現しようとする。その先には、友情(コミュニティ)の維持があると考えている。その方法論をシステム的に実現してくれるのが、BeRealというわけだ。
BeRealというサービス自体は、SNSというよりはリアルゲームのような感じを受ける。ただ一般のゲームが、遊ぶも遊ばないも自分次第なのに対し、そこにSNS的な要素を盛り込んで仲間と同調するという設計がなされているところに、仕掛けの巧みさがある。
大人からすれば、システムから自分の行動を強要されるなんてまっぴらごめんだろう。だが「仲間最高!」という気分が残っている青少年には、友情を確かめ合うツールとして機能している。
「早く大人になれ」というのは簡単だが、かつて大人になんかなりたくないとひねくれた思春期を過ごした者にとっては、一概に叱ることもできない微妙なところである。しかも相手が成人していれば、無理やり取り上げることも難しい。まるで腫れ物に触るように扱うしかない。
本能を刺激するサービスというのは、問題が起こったときに規制や禁止では済まないところが、本当に厄介だ。おそらく社内研修で情報セキュリティ講座をやっても、その講座自体が共有されてしまう可能性すらある。
BeRealをやり続けたいなら、会社の内部情報に関与するポジションにはつけないというハンデを受け入れる覚悟があるのか、それぐらいの「踏み絵」は突きつける必要はあるかもしれない。
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小寺信良のIT大作戦
ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。
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