画像生成AIで知られる米Midjourneyは6月17日(現地時間)、超音波を使った全身スキャナと、それを組み込んだ温浴施設「Midjourney Spa」を柱とする新事業「Midjourney Medical」を立ち上げ、医療分野に参入すると発表した。
全身スキャナは、浅い「金色光のプール」に立つと体がゆっくり沈み、約50万個の微小な素子が並ぶリングを通過する仕組みという。
各素子があらゆる角度から超音波を当て、跳ね返る波の変化から体内を立体的に再構成する。全身スキャンは60秒以内に完了し、画質はMRIに近く速度は約100倍だとしている。
翌日には、半導体ベースの超音波チップを手掛ける米Butterfly Networkが、全身スキャナのハードウェアパートナーだと発表した。同社によると、現行の試作機には1台当たり40個の超音波チップモジュールが組み込まれており、両社は共同開発契約を結んでいる。将来世代ではモジュール数を大幅に増やす見込みという。Butterfly Networkのジョセフ・デビボCEOは、このスキャナを「次世代のオンデバイスAI」だと評した。
Midjourney Spaは、スキャナを日常に溶け込ませる場という位置づけだ。2027年にサンフランシスコ中心部で1号店を開く計画で、24時間利用可能なサウナやコールドプランジを備え、全身スキャンはあくまで副産物としている。
完成までのスケジュールは、まず12カ月でアルゴリズムとハードウェアを改良し、2028年に完全カスタムシリコンの第3世代へ移行、2031年までに世界で5万台以上、月10億回のスキャン能力を目指す。診断機能には米FDA(食品医薬品局)の承認が必要なため、当面は体組成マップの提供から始める計画という。
Midjourneyのデビッド・ホルツCEOはMidjourney以前、両手の指の動きをセンサーで追うハンドトラッキング技術の米Leap Motionを2010年に共同創業し、CTOを務めた人物だ。光学センサーとコンピュータビジョンでサブミリ精度の追跡を実現した経歴を考えると、多数のセンサー素子と大規模計算で信号を画像に再構成する今回の発想は、画像生成AIよりむしろセンサーハードウェアという「原点」に連なるものといえるだろう。
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