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ソニー、次世代機“PS5(仮)”を開発中 「ストリーミングゲームと同時並行で取り組む」

ソニーは、ゲームストリーミングサービスの拡大に取り組む一方で、据え置きの次世代ゲーム機にも注力していることを明らかにした。

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 「イマーシブ(没入感)とシームレス(いつでもどこでも)に注力していく」──ソニーの吉田憲一郎社長は、2019年度経営方針説明会でそう話した。2年連続で過去最高益を更新したゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野では、ストリーミングサービスが今後のゲーム市場で主流になると前置きしながらも、据え置きの次世代ゲーム機に引き続き注力することを明らかにした。

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次世代ゲーム機の処理性能を表すデモ。PS4 Proで約8秒かかる処理(右)が、次世代機では約0.8秒で処理できる

 ソニーは16日(米東部時間)、ゲームおよびコンテンツストリーミングサービスのクラウドプラットフォームとAI(人工知能)技術で、米Microsoftと提携すると発表。吉田社長は「幅広く、深く議論するために戦略的提携の意向確認書に署名した」と説明した。

「(次世代機は)PS4世代を圧倒的に超える」

 ソニーは、自宅に設置されたユーザー所有の「プレイステーション4」(PS4)をゲームサーバとして動かす「リモートプレイ」や、クラウド経由でプレイステーションのゲームをPS4やWindows PCで遊べるストリーミングゲームサービス「PlayStation Now」を提供しているが、次世代ゲーム機の登場以降も同様のサービスを展開する。

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 ただし、ネットワークのレイテンシ(遅延)や、サーバから送られてきた映像の処理などで、コアゲーマーが求める応答速度に対応するには技術的な面で改良の余地があることを吉田社長は示唆する。

 「われわれが提供しているイマーシブ(没入感)というユーザー体験は、今後も重要となる。(据え置きの)ゲーム機はニッチマーケットになりつつあるが、コアゲーマーの没入体験を大事にしていきたい。ユーザーのそばにコンピューティング機能があるのは重要だ」(吉田社長)

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ソニーの吉田憲一郎社長

 吉田社長は年内にPS4のハードウェア累計販売台数が1億台を超える見込みであることを示しながら、開発中の次世代ゲーム機にも言及。具体的な仕様などには触れなかったが、演算性能の向上と超高速広帯域の専用SSDを組み合わせることで、飛躍的な描画スピードの向上を実現するという。

 現行機の「PS4 Pro」と次世代ゲーム機の性能を開発環境で比較したデモ映像では、これまで約8秒かかっていたゲーム中の読み込み(シーンチェンジ)がわずか0.8秒で完了する様子や、ニューヨークを再現した広大なマップを高速移動しながらでもスムーズに描画できる様子を紹介。「PS4世代を圧倒的に超える。ユーザーが没入し続けられる次世代の体験ができる。期待してほしい」(吉田社長)と自信を見せた。

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 「長い目で見れば、(ゲームやコンテンツの)クラウド化やストリーミングサービスが来る(当たり前になる)と考えている。ただし、時間軸(タイミング)の想定は難しい。ただ技術は進化する。ストリーミングサービスと据え置きの次世代ゲーム機に並行して取り組む。コンピューティング、ストリーミング、クラウド、5Gなどの最新技術でプレイステーションのユーザー体験を進化させ続ける」(吉田社長)

ファーウェイ問題は「コメントを差し控える」

 ソニーは経営方針説明会の中で、好調の半導体事業にも触れた。CMOSイメージセンサーの売り上げで約8割を占めるスマートフォン市場は成熟しつつあるとしながらも、カメラの多眼化といったトレンドによる需要増によって、引き続き業界トップのポジションを堅持しているという。

 CMOSイメージセンサーの供給先とみられる中国Huaweiについて吉田社長は、「ソニーの国別売上比率では米国が23%、中国が9%と、いずれも重要な市場である」としながらも、「取引先や規制内容、政策についてのコメントは差し控える」とした。

編集部注:

変更履歴(5月21日 午後8時45分):ソニーからの要請で、権利上の都合から記事中のデモ動画を写真に差し替えました。


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