ハイブリットワークやWeb会議の普及、生成AIの登場によって私たちの働き方は大きく変化した。それに伴ってビジネスPCに求められる要件も多様化している。長時間のバッテリー駆動や持ち運びやすさはもちろんのこと、高い処理性能と電力効率も不可欠となった。こうした中で、今注目を集めているのが「Copilot+ PC」という次世代のPCだ。これらのPCは、私たちのビジネスにどのような変革をもたらすのだろうか。
Copilot+ PCとは?
Copilot+ PCは、Microsoftが提唱するハイスペックな次世代PCのブランドだ。NPU(Neural Processing Unit)というAI処理に特化したプロセッサーを搭載し、その性能が40TOPS(1秒間に40兆回の演算)以上、かつメモリ16GB以上、SSD 256GB以上などの要件を満たす必要がある。これにより、PCのローカルで高速かつ低消費電力で高度なAI機能を実行できる。
業務にどう役立つのか
Copilot+ PCがもたらすメリットは、普段の業務を快適にするさまざまなAI機能を低消費電力で利用できる点にある。例えば「Windows スタジオ エフェクト」は、Webカメラの映像と音声をリアルタイムで補正する機能で、Web会議中に背景をぼかしたり、明るさを自動で調整したり、ノイズを除去したりすることで会議により集中できる環境を整える。
「コクリエイター」は簡単なスケッチとプロンプトから画像生成できる機能だ。これを使えば、プレゼン資料などに載せる図や画像を探したり自力で作図したりする手間を省ける。「リコール」はCopilot+ PCで行った操作を後から自然言語で検索できる。過去に作成した資料や参照したWebサイト、メールでのやり取りなど、膨大な情報の中から「先月見た青いグラフの資料」といった曖昧な記憶でも検索できる。さらに「ライブキャプション」は、多言語の音声をリアルタイムで翻訳して字幕表示でき、海外企業とのWeb会議や多言語コンテンツの視聴時に役立つ。
現時点でNPUを利用するアプリケーションは限定的だが、今後は増えることが予測されている。
理由の一つはデータガバナンスの問題だ。現在主流の生成AIサービスはクラウドサービス側で処理をしている。従業員が設定や使い方を誤って機密情報が入った資料をアップロードしたりプロンプトに入力したりすると、クラウドサービスに学習される可能性がある。Copilot+ PCのローカルでAI処理をした場合、プロンプトなどに入力した情報が外部に送信されず、生成AIサービスに情報を学習されるリスクを回避できる。
今後、各種アプリケーションがより高度なAI機能を実装するにつれてCPUだけでは処理性能が不足し、NPUの必要性が高まると予想されている。こうしたことからもCopilot+ PCは次世代のスタンダードとなり得る可能性を秘めている。
AI活用以外でも際立つ使い勝手の良さ
Copilot+ PCの進化はAI処理だけに留まらない。CPUの性能も大幅に向上している。
例えば、インテルの最新プロセッサー「インテル® Core™ Ultra プロセッサー(シリーズ2)」は、従来のCPUと比較して処理能力を大きく向上させており、日常業務をより快適にこなせるようになった。電力効率の改善も目覚ましく、シリーズ1と比較して電力効率がCPUで最大2.29倍、GPUで最大2倍に向上。これによってバッテリー駆動時間が格段に延長され、外出先での長時間作業が可能になった。
AI機能を使わなかったとしても、Copilot+ PCは従来のPCを上回る使い勝手の良さを発揮するというわけだ。
実用性を追求した次世代ビジネスPC
Copilot+ PCの中でも注目したいのがNECパーソナルコンピュータの「VersaPro UltraLite タイプVY」(以下、タイプVY)だ。特徴はビジネスシーンでの実用性を重視した設計にある。
最大の特徴は、圧倒的なバッテリー性能だ。バッテリー(S)選択時はわずか約885グラム、バッテリー(L)選択時でも約995グラムという軽量設計でありながら、74Whの大容量バッテリーを搭載。JEITA 3.0基準でアイドル時約40.2時間、動画再生時でも約20.1時間という長時間のバッテリー駆動を実現している。NECパーソナルコンピュータで試算したところ、午前9時から午後6時までの勤務時間中、バッテリー消費の激しいWeb会議に一日中参加しても、業務終了時のバッテリー残量は50%も残るという結果になった※。
※1.2時間の休憩時間は除く。「Microsoft Teams」のカメラをオンにして「Microsoft PowerPoint」 使用した5.40〜5.52Wh消費として計測した理論値。
同社は、リアルな条件でタイプVYを使用してバッテリー持続時間を測定する「バッテリーチャレンジ」という実験もしている。午前9時から午後17時15分までの業務時間内に、Web会議をカメラオンの状態で4本、カメラオフの状態で1本の合計4時間行い、途中でスマートフォンを充電した。その結果、終業時でもバッテリーは約57%も残っていた。【バッテリーチャレンジの動画はこちら】
このバッテリー性能によってACアダプターやモバイルバッテリーを持ち運ぶ必要がなくなり、ビジネスパーソンが常に抱えていた「電池切れの不安」から解放される。外出先のカフェで資料作成中に画面を暗くして作業効率が落ちたり、新規取引先でのプレゼン中に電池が切れそうになったり、出張先に向かう新幹線の中でコンセントが使えず困ったりといった、ビジネスシーンでありがちな悩みを根本から解決する。
NECパーソナルコンピュータの調査によれば、モバイルPC購入検討者の8割以上が“超”長時間バッテリー搭載品を検討しており、理由の多くが「電池切れの不安解消」や「充電器の持ち運び不要」などだ。タイプVYは、こうしたニーズに応える製品と言えるだろう。
タイプVYは、バッテリーを長寿命化させる「スマート充電機能」も備えている。行動予測AIがユーザーのPC利用状況を学習し、必要な時だけ100%充電、それ以外は80%充電に自動で切り替える機能だ。バッテリーの劣化を抑制して、5年後も約71%の容量を維持できると予測されている。同社の調査によれば従来PCでバッテリーの劣化対策をしない場合、5年後にバッテリー容量が50%程度まで劣化するケースがある。PCを導入した数年後に「バッテリーの消耗が激しいので交換したい」という従業員からのよくある問い合わせの削減につながるだろう。
独自のAIチャット機能も搭載
もちろんAI機能も充実している。CPUにインテル® Core™ Ultra プロセッサー(シリーズ2)を搭載し、前述の機能をフル活用できるほか、日常業務でも高いパフォーマンスを発揮する。
NECパーソナルコンピュータ独自のAI機能も複数搭載している。中でも注目したいのが「AI Plus Biz」だ。PC操作に関する疑問をAIチャットで解決できる機能で、Copilotが答えにくいPCの独自機能や状態をチェックした上で回答してくれる。例えば「PCから音が出ない」という質問をCopilotにした場合、「音量設定の確認:スピーカーアイコンをクリックして、音量がミュートになっていないか確認します」など、どのメーカーのPCにも当てはまる回答が返ってくるが、AI Plus Bizに質問すると「1.音量設定の確認:現在のシステム音量は[5]で、ミュート状態になっています」といったPC固有の状態を踏まえた回答を導く。これを活用すればPC関連の問い合わせが減り、情報システム部門の負担が軽減するだろう。
リアルな利用シーンを考慮したきめ細かな設計
タイプVYにはこの他にも、業務効率化を支援するさまざまな機能を備える。ヤマハの独自技術「AudioEngine™」を搭載しており、AIが音声以外のノイズやユーザー以外の音声を抑制することで、周囲の騒音を気にせず自分の声だけをWeb会議の参加者にクリアに届けられる。ため、場所を選ばずに快適なWeb会議が可能になる。
筐体面でもこだわりが光る。約885グラム〜の軽量化を実現しつつ、指紋や傷がつきにくい防指紋、耐擦傷コーティングを天板やパームレスト面に施すなど、ビジネスシーンでの使い勝手を追求している。ディスプレイは縦に長い13.3型WUXGA(1920×1200)の狭額縁液晶を採用し、文書作成やWebページ閲覧で優れた視認性を提供する。タッチパネルも選択可能だ。USB Type-C(Thunderbolt 4対応)とUSB Type-Aを2ポートずつ、HDMI、有線LANなど豊富なインタフェースを備え、テレワーク時に外部接続用のコードやドッキングステーションを持ち運ばずに済む。
次世代PCがもたらすビジネス変革
Copilot+ PCは、単なる高性能PCの進化版ではない。ローカルでのAI処理などPCに新たな役割を与えることで生産性を飛躍的に向上させ、私たちの働き方そのものを変革する可能性を秘めている。さらにバッテリー持続時間や軽量化をはじめとした実用性を加えたタイプVYは、これからのビジネスを推進する鍵となるに違いない。
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