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Windows 10の「ユニバーサルアプリ」でWindowsストアは巻き返すか?鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(3/3 ページ)

Windows 8/8.1のWindowsストアは競合と比べて盛り上がりに欠けるが、Windows 10世代では「ユニバーサルアプリ」によって巻き返すかもしれない。その最新事情をアプリ開発側の視点も交えつつお届けしよう。

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新ブラウザの「Project Spartan」をアプリ開発に活用する

 Windows 10での新しい標準ブラウザとなる「Project Spartan」(開発コード名)については直近の連載でも触れたが、このSpartan自体がユニバーサルアプリであり、ある意味でWindowsプラットフォームを横断して動作する共通のアプリとして機能している。

「Project Spartan」(開発コード名)は、従来のInternet Explorerを置き換えるWindows 10共通の新しいWebブラウザだ。これもユニバーサルアプリの1つとなっている

 興味深いのは、Spartanがレンダリングエンジンとして利用する「EdgeHTML(.dll)」は他のアプリからでも呼び出しが可能であり、この仕組みを使うことで「(本来はWebブラウザ経由で利用する)Webアプリケーションをユニバーサルアプリとして配布する」ことも可能だ。これを「Hosted Web apps(Webホストアプリ)」と呼ぶ。

 その最大のメリットは「Windowsストア」が利用可能な点であり、本来であれば何らかの導線を用いてWebサイトに顧客を誘導しなければいけないWebアプリケーションを、「ストアアプリ」の形でMicrosoftの公式インフラを通じて配布することが可能になる。

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 Webサイトではなくアプリとして扱われるため、デスクトップへの“ピン留め”が可能であったり、音声対応パーソナルアシスタントの「Cortana」や(本来であれば難しい)ハードウェア固有の機能にアクセスできたりと、Webアプリケーションに少しの作り込みを加えることで、ユニバーサルアプリとして機能させられる。

 おそらくだが、雑誌やマルチメディア系コンテンツをより幅広く流通させる場合、単にWebへと顧客を誘導させるだけでなく、ユニバーサルアプリの配布は選択肢の1つとして検討に値すると考える。

「Hosted Web apps」とは、本来であればWebサービスとしてWebブラウザ経由で利用するアプリケーションを、あくまでフロントエンドをユニバーサルアプリとしてアプリ形式で提供することで、Windows 10のOSシェル機能やCortana、ハードウェアへのアクセス、さらにWindowsストア経由でのアピールなどが可能になるという仕組みだ

 Windows 8/8.1時代には正直なところあまり盛り上がらなかったModern UIアプリの市場だが、さまざまなWindowsデバイスが市場に出荷されていく中で、以前に比べてもサードパーティの活躍する余地は拡大している。

 Windows 10の発売がその変わり目と認識している関係者も多く、今年後半以降の市場の変化を見据えた取り組みがWindowsストアを活気づける契機となるかもしれない。

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