Windows 10に人気のiOS/Androidアプリは集まるか?――「Windows Bridge」最新動向:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(3/3 ページ)
人気のiOSアプリやAndroidアプリをWindows 10に取り込むため、Microsoftが仕掛けたプロジェクトはどうなっているのか? 現状と今後の動きを整理しよう。
「Windows Bridge for Classic Windows apps」は2016年まで待ち?
結果的に2つの注目プロジェクト(Windows Bridge for iOS/Android)のあおりを受ける形となるのが、Project Centennialこと「Windows Bridge for Classic Windows apps」だ。前述のジョー・フォーリー氏によれば、テスト環境の提供開始は2016年のいずれかの時期になる見込みだという。
Windows Bridge for Classic Windows appsは、既存のWin32ベースのデスクトップアプリケーションや.NETアプリケーションをUWPアプリに変換する仕組みだ。
いくら同じWindows向けアプリケーションとはいえ、スマートフォン向けOSに近い動作環境を持つUWPアプリと、動作が従来ながらのPCに近いクラシックアプリケーションでは作法が全然異なる(メモリ管理やアプリのライフサイクルなど)。変換の際に元のアプリケーションで変更すべき点も多数あるはずだ。その意味では、iOSアプリやAndroidアプリのほうがUWPとは相性がいいのかもしれない。
外部プラットフォームの開発者を引き込むことを目的としたWindows Bridge for iOS/Androidに対し、Windows Bridge for Classic Windows appsは既存のWindowsデベロッパーをUWPに引き上げるだけでなく、Windows新バージョンへのアップグレードを阻むレガシーアプリケーションを退役させることが究極的な目的となっている。
そのため、早期にプロジェクトを外部開発者に浸透させる必要があるWindows Bridge for Android/iOSに比べ、スピード感が重視されない代わりに、幾分か重い使命が課されている。2016年に開催されるとみられる次の開発者会議「Build 2016」までには、より詳しい情報が出てくると考えられるので、引き続きウォッチしていきたい。
関連キーワード
Windows | iOS | Android | Windows 10 | Androidアプリ | Microsoft | GitHub | アプリケーション開発 | Visual Studio | Windows Store | Universal Windows Platform | Windowsアプリ
関連記事
- 「Windows 10」大特集
鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:Windows 10はPCとスマホで同じアプリがなぜ動く?――「UWP」の理想と現実
PCとスマホで同一アプリを利用、スマホに外部ディスプレイ+キーボード+マウスをつないでデスクトップPC的に作業、外部ストレージにアプリ導入など、ユーザーの利便性を高めるWindows 10世代のアプリ基盤「UWP」は、どのような仕組みなのだろうか?鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:「Windows 10」は従来型デスクトップアプリも次世代へ導けるか?
次期OSの「Windows 10」は、Webアプリケーションや従来型デスクトップアプリケーションも新しい共通アプリ実行基盤「UWP」に取り込もうとしている。これらは現状のWindowsでも動作するアプリだが、Windows 10世代でどのように変えようというのか?鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:Windows 10でAndroidとiOSアプリがそのまま動く!?――「Project Astoria/Islandwood」に迫る
「私たちの夢、それは“Write once, run anywhere”」――まさかMicrosoftからこの言葉を聞ける日が来るとは。鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:Windows 10の「ユニバーサルアプリ」でWindowsストアは巻き返すか?
Windows 8/8.1のWindowsストアは競合と比べて盛り上がりに欠けるが、Windows 10世代では「ユニバーサルアプリ」によって巻き返すかもしれない。その最新事情をアプリ開発側の視点も交えつつお届けしよう。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.