結果的に2つの注目プロジェクト(Windows Bridge for iOS/Android)のあおりを受ける形となるのが、Project Centennialこと「Windows Bridge for Classic Windows apps」だ。前述のジョー・フォーリー氏によれば、テスト環境の提供開始は2016年のいずれかの時期になる見込みだという。
Windows Bridge for Classic Windows appsは、既存のWin32ベースのデスクトップアプリケーションや.NETアプリケーションをUWPアプリに変換する仕組みだ。
いくら同じWindows向けアプリケーションとはいえ、スマートフォン向けOSに近い動作環境を持つUWPアプリと、動作が従来ながらのPCに近いクラシックアプリケーションでは作法が全然異なる(メモリ管理やアプリのライフサイクルなど)。変換の際に元のアプリケーションで変更すべき点も多数あるはずだ。その意味では、iOSアプリやAndroidアプリのほうがUWPとは相性がいいのかもしれない。
外部プラットフォームの開発者を引き込むことを目的としたWindows Bridge for iOS/Androidに対し、Windows Bridge for Classic Windows appsは既存のWindowsデベロッパーをUWPに引き上げるだけでなく、Windows新バージョンへのアップグレードを阻むレガシーアプリケーションを退役させることが究極的な目的となっている。
そのため、早期にプロジェクトを外部開発者に浸透させる必要があるWindows Bridge for Android/iOSに比べ、スピード感が重視されない代わりに、幾分か重い使命が課されている。2016年に開催されるとみられる次の開発者会議「Build 2016」までには、より詳しい情報が出てくると考えられるので、引き続きウォッチしていきたい。
「Windows Bridge for Classic Windows apps」(旧称:Project Centennial)は、Classicと呼ばれる従来型デスクトップアプリケーションをUWPアプリへと変換するための仕組みだ(画像はBuild 2015の資料から)
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