MicrosoftはどこまでSurfaceに本気なのか 2019年のハードウェア製品を予測する:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/2 ページ)

» 2018年12月25日 12時00分 公開

 2018年10月2日(米国時間)に開催された米MicrosoftのSurface製品発表イベントでは、事前の予想通り既存ラインのアップデート版となる「Surface Pro 6」「Surface Laptop 2」「Surface Studio 2」が発表された。サプライズとしてはノイズキャンセリング機構が付いたCortana対応デバイスの「Surface Headphones」が発表されたものの、全体的にマイナーチェンジ感が拭えず、“新型ハードウェア”的なものを期待していた人にはやや残念な内容だったかもしれない。

 実際、Microsoft側でもこのタイミングでSurface製品発表会の開催は悩みどころだったようで、開催にあたって例年なら実施されるイベントの模様をストリーミング配信せず、対外的なアピールはプレスリリースを出すにとどまっている。

 一方、日本国内では1週間後の10月10日に製品開発トップのパノス・パネイ(Panos Panay)氏が来日し、今回のケースでは珍しい製品お披露目イベントが実施されているわけで、それだけ日本がSurface販売における重点市場として考えられていることが改めて確認できた訳だ。

Microsoft 2018年10月のMicrosoft製品イベントで発表されたSurfaceハードウェア群
Microsoft 同社初のカテゴリーとなる「Surface Headphones」

 さて、こうしたMicrosoftとSurfaceの裏事情と今後について記した本が11月末に出版されて話題になっている。

 タイトルは「Beneath A Surface(“表面”下)」で、著者はThurrott.comなどのMicrosoft最新事情レポートで著名なブラッド・サムス(Brad Sams)氏だ。本の概要についてはPC USERで佐藤由紀子氏も紹介しているが、Kindle版も提供されているので日本の読者もAmazon.comやAmazon.co.jpで簡単に入手可能だ。今回はこの内容を振り返りつつ、2019年のMicrosoftハードウェア事情について少しだけまとめてみたい。

Microsoft ブラッド・サムス氏のSurface事情をまとめた力作「Beneath A Surface」は、Amazon.comやAmazon.co.jpで販売中

2019年のSurfaceはどうなる?

 まずはSurface関連では、USB Type-Cの搭載で新デザインを採用したSurface Proも興味深いが、今回はSurface StudioとSurface Laptopに注目したい。前述した佐藤氏のレポートにもあるように、MicrosoftはSurface Hub 2の延長線上にあるようなモジュラーデザインで、PC部分のみをアップグレードできるSurface Studioを2020年にもリリースする計画があるという。

 興味深いのは、このアイデアがSurface Studioが発表される前にMicrosoftの申請特許として話題となった「スタッカブルPC」のそれに近く、機能拡張モジュールでPCを進化させる仕組みを採用するのではないかという点だ。

 もともとAiO(All-in-One)カテゴリーの製品として発表されたSurface Studioだが、PCとディスプレイ機能の分離はそのコンセプトを越えるもので、「新しいPCの形を提案する」というSurfaceの位置付けに合致している。

Microsoft All-in-One Surfaceのディスプレイ部分のモジュール例(出典:USPTO)

 次にSurface Laptopだが、2019年第4四半期に投入が見込まれる新製品ではAMDの「Picasso」アーキテクチャを採用したものが検討されているという。Picassoは現行製品ラインの「Raven Ridge」の後継にあたるAPUで、2019年の製品投入が見込まれている。

 競争という面ではIntelプロセッサ固定よりも、AMDというライバルがいたほうが価格や性能面でPCメーカーやユーザーが得られるメリットも大きいため、Microsoftとして何らかの判断が働いた可能性がある。

 サムス氏のレポートでは触れられておらず、“こだわり”の強いパネイ氏がどこまで興味を示しているのか不明だが、MicrosoftではPC製品ラインの拡張にQualcommのSnapdragonを活用する意向を示しており、いずれこれがSurface Go、Surface Pro、Surface Laptopといった製品群に波及してくる可能性がある。「Always Connected PC」のコンセプトをどのようにSurface製品で展開してくるのか、個人的な2019年の注目ポイントと考えている。

あの「Andromeda」は?

 ここ1〜2年ほど話題となっている「Andromeda」については相変わらず微妙な位置付けで、「2019年に出る可能性がある」という程度に留まっている。これについてはZDNetのメアリー・ジョー・フォリー氏も自身の情報源と合わせながら、「当初想定されていたものよりも大型になる」と述べている。

 Andromedaについて何度もレポートしているザック・ボーデン氏によれば、当初想定されていたAndromedaは折りたたみ状態のサイズが5〜6型のスマートフォンと同程度のサイズということで、これを開いて展開すると6.5〜8型程度のディスプレイサイズになる。

 額面通りに受け取るならば、全体に1〜2型程度サイズアップして展開時に10型程度を想定したものとなり、縦横比は異なるが、Surface Goに近い(Andromedaはより正方形に近くなる)。問題は、電子書籍以外にこれがフィットする市場が即座に思い浮かばない点で、おそらくMicrosoftが製品を市場投入するとしてもアプリケーションが重要となるだろう。

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