昨今はスマートフォンやPCの新製品が発売される前に、さまざまな予測やうわさ話がネット上にあふれるようになりましたが、信頼できる情報はそう多くありません。
Thurrott.comは、米Microsoft製品の予測記事で定評のあるメディアの1つです。そのベテラン記者、ブラッド・サムスさんが本を出しました。タイトルは「Beneath A Surface」。うまい! Microsoftのハードウェアブランド「Surface」と、「表面下で」という意味をかけてます。
内容は、Surfaceの立ち上げから現在、未来を、Microsoftのチーフプロダクトオフィサーのパノス・パネイさんを含む多数の人にインタビューし、発表イベントにも通って取材してまとめたものです。
米国で出版された本を当日入手できるなんて、Amazonはありがたいなぁと思いつつ、早速Kindle版をぱらぱらめくってみました。
ちゃんと、2007年のテーブル形「Surface」から始まっています。2018年現在のSurfaceブランドから見ると、あれから随分遠くに来たものだと感慨深いです。
記憶に新しい、10月のニューヨークでのSurfaceイベントについても詳しく書かれています。多くの米メディアがこのイベントではマイナーアップデートしか発表されないと、早い段階から報じていて、何で分かるんだろうと思ったら、Microsoft自身が新しいフォームファクターはないよ、と予告していたんだそうです。
Microsoftはここ数年、毎年10月にSurfaceイベントを開催していて、今年は目玉がないからやめようかどうしようか悩んだとか。6月末には「Andromeda」のうわさ(詳しくは後述)が盛り上がってしまったので、なおさらです。
うわさ通り、イベントはストリーミングすらされず、発表されたのはちょっとだけアップデートした「Surface Pro 6」「Surface Laptop 2」「Surface Studio 2」と、周辺機器の「Surface Headphones」だけでした。
サムスさんの本によると、先代で番号が取れて「Surface Pro」になっていたのに、新モデルに「6」が付いたのは、サポートセンターが悲鳴を上げたからとのこと(番号がないと、どの世代のSurface Proのことか分かりにくい)。Surface Pro 6とSurface Laptop 2にUSB Type-Cポートがないのは、もちろん技術的にできないからではなく、「パネイさんが嫌いだから」だそうです。でも次期モデルにはつきそうです。
この本の目玉は最後の章で、向こう2年間のSurfaceについてのロードマップ(あくまでも予測)を披露しているところ。まとめさせてもらいました。
Andromedaについては、「出す必要はないけど、PCの未来を示すハードウェアだとMicrosoftは考えて」いて、2019年中にリリースするかも、だそうです。Andromedaは当初、たためばポケットに入るLTE搭載の2画面端末という定義でした。でも、そんな端末の強いユースケースが見つけられず、ちょっとお蔵入りになっているそうです。現在開発しているものは、もうちょっと大きいものになりそうだとのことです。
Microsoftは2019年の春にもSurface関連イベントを計画していて、そこでは「スマートフォンを使うときのイライラを何とかするための製品」だけど、スマートフォンじゃないものを発表するそうです。いよいよ電脳メガネでしょうか?
Surface Headphonesを見れば分かるように、SurfaceはPCだけでなく、(XboxとHoloLensは別として)Microsoftのハードウェア全体のブランドになろうとしています。Microsoftはサティア・ナデラCEOの下、クラウドにシフトしていますが、ナデラさんとパネイさんの絆は強く、ナデラさんもSurfaceブランドを育てていこうと思っているそうです。
「Surface Glasses」がもし出るとしたら、楽しみだなぁ。
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