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» 2018年07月14日 06時00分 公開

「Surface Go」日本版は本当に高いのか Office付属は妥当なのか鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/2 ページ)

ウワサの低価格Surfaceこと、「Surface Go」がついに登場した。しかし、日本モデルは米国モデルと一部仕様が異なり、それもあって最小構成価格が高めなことで、批判の声も少なくないようだ。今回はSurface Go日本モデルのこうした点について考察する。

 「低価格Surface」のウワサは本当だった。米Microsoftが7月9日(現地時間)に、399ドルからの「Surface Go」を正式発表したのだ。筆者はもう少し後の発表になると予想していたが、夏の間に入手できるのだからうれしい誤算といえる。一方のスペックに関しては、Pentium GoldプロセッサやUSB Type-Cポートを搭載するなど、事前のリーク情報通りだった部分も多い。

Surface Go Windows 10搭載の10型2in1である「Surface Go」

 日本での発表も早かった。日本マイクロソフトは7月11日(日本時間)に都内で製品発表会を開催。米Microsoft本社からコーポレートバイスプレジデントのマット・バーロー氏が来日し、デモンストレーションを交えてSurface Goの日本モデルをお披露目した。米メディアには事前のプレビューこそ行われたものの、製品発表会の開催は日本が唯一とのことで、それだけ重点市場として注目されているわけだ。

Surface Go 7月11日に開催された国内発表会でSurface Goをアピールする米Microsoftコーポレートバイスプレジデントのマット・バーロー氏(左)と日本マイクロソフト代表取締役社長の平野拓也氏(右)

 しかし、この発表後にSNSなどでネットの反応を見ると、特に日本市場向けの製品構成や価格設定について批判が少なくないようだ。

 価格(税別、以下同)については、米国では399ドルからと手ごろなことがセールスポイントの1つだったが、日本で8月28日発売の一般向けモデルは米国モデルにはない「Office Home & Business 2016」を付属して6万4800円と、為替レートや内外価格差を考えても高く感じるユーザーは少なくないだろう。また、日本ではOffice抜きの構成が選べず、既にOffice 365や関連ライセンスを持つユーザー向けの選択肢がない。

Surface Go 日本の一般向けモデルの価格発表では、米国モデルに比べて割高な価格設定に批判の声も出た

 なぜ、日本は米国と違った販売スタイルなのか、また本当に日本モデルは価格が高いのか。筆者の見解を混ぜつつ検証していきたい。

Surface Go日本モデルと米国モデルの違い

 まずは日米で販売されるモデル(いわゆるSKU)の違いを見ていく。以下は、日本向けモデルと、米国向けモデル(米Microsoftのオンラインストア取り扱いモデル)の主な仕様だ。

Surface Go Surface Go日米モデルの違い(クリックで拡大表示)。米国モデルは公式オンラインストアで販売している構成だ。正式な型番が不明な他、実際には通常のリテールチャネルや企業向けのダイレクトセールス、パートナー向けの価格などが存在する可能性があるため、参考程度にみていただきたい

 ハードウェアの基本スペックは日米とも共通で、Pentium Gold 4415Y(2コア4スレッド、1.60GHz)、4GBもしくは8GBのメモリ、64GB eMMCもしくは128GB SSDのストレージ、1800×1200ピクセル表示の10型ディスプレイ(217ppi)を搭載する。異なるのは、OS、Microsoft Office、そして価格だ。

Windows OSの違い

 日本モデルのOSは、一般向けが「Windows 10 Home(S mode)」、法人向けおよび教育機関向けが「Windows 10 Pro」となる。Windows 10 HomeのS modeとは、Windowsストア経由でのみアプリの導入が可能な代わりに、セキュリティやレスポンスの面で有利な動作モードだ。このS modeは無料で解除可能で、既存のデスクトップアプリも使えるWindows 10 Homeとして利用できる。

 米国モデルのOSは「Windows 10 in S mode」のみだが、これも実質的にWindows 10 HomeをS modeに設定して出荷するものであり、一方通行ながら通常のWindows 10に変更できるという点は、日本の一般向けモデルと同じだ。ただし、米国の公式オンラインストアにWindows 10 Proの構成は用意していない。

Microsoft Officeの違い

 同様にOfficeもみていこう。実は日本の一般向けモデルに付属する製品は「Office Home & BusinessPremium」ではなく、「Office Home & Business 2016」という点に注目したい。

 前者のOffice Home & Business Premiumは、日本のサードパーティー製PCに付属するOfficeとしておなじみの製品で、利用条件として「対象Office製品の永続使用権(1台のみ)+Office 365の1年サブスクリプション」という構成になっている。

 これはサブスクリプション型サービスであるOffice 365への誘導を前提としたもので、PIPC版(プリインストール版)と呼ばれる同製品が付属するPCのみに永続使用のライセンスに加え、OneDriveストレージ容量1TBといったOffice 365の機能が1年限定で利用可能となる。サブスクリプション終了後もこれらの機能を継続利用したい場合、Office 365 PersonalやOffice 365 Soloといった個人向けライセンスを購入して更新する必要がある。

 対する後者のOffice Home & Business 2016は、同製品が付属するSurface Goのみ永続使用のライセンスが得られるものの、Premiumにあるようなサブスクリプション型サービスは付与されない。つまり、Office 365への誘導のない純粋なPIPC版ということになる。

【訂正:2018年7月18日午後8時 初出時、Surface Goに付属する「Office Home & Business 2016」は「対象Office製品の永続使用権(2台)」の「パッケージ版」と表記していましたが、日本マイクロソフトにあらためて確認したところ、「対象Office製品の永続使用権(1台のみ)」が付属する「PIPC版」であることが分かりました。おわびして訂正いたします】

Surface Go 日本の一般向けモデルには「Office Home & Business 2016」が付属

 一方、米国モデルは「Office 365 Home」の30日間トライアル版が付属するだけで、Office製品の永続使用権はなく、新規ユーザーをOffice 365の契約へと誘導する役割を担っている。

 詳しくは後述するが、Office 365の拡販に主軸を置いているかが日本と米国を含む海外との最大の違いであり、少なくとも日本国内では個人向けにOffice 365の布教にはそれほど熱心ではないということが分かる。

価格の違い

 このように日米で完全に同じ仕様のモデルが存在しないため、価格は単純比較できない。最も仕様が近いのは日本の法人向けモデルと米国の一般向けモデルだが、前者はOSがWindows 10 Proであり、このライセンスだけでも米国で199.99ドル、日本で2万5800円と、OSライセンス分が価格に上乗せされている。ちなみに、Windows 10 HomeからProへのアップグレード価格は1万2800円だ。

 1ドルを112.5円で計算すると、米国モデルの最小構成価格である399ドルは日本円で約4万4888円ということになる。この場合、日本の法人向けモデルとの価格差は8000円程度だ。為替差損のリスクを含めて1ドルを120円で計算した場合、差分は5000円程度となり、「1万円以内の追加料金でWindows 10 Proのライセンスが付いてくる」といえる。

 実際にはプリインストール版のWindows 10 Proが2万円以上のライセンス価格で販売されているわけではないが、エンドユーザーにとっては、追加のライセンスを購入するより「実はお得」ということになる。

 また米国モデルでOfficeを使い続けようとしたらOffice 365の有料契約が別途必要になるが、日本モデルはOffice Home & Business 2016が付属するので追加のコストがかからない。

 ちなみにパッケージ版のOffice Home & Business 2016は「対象Office製品の永続使用権(2台)」が付与されて、実売価格は3.5万〜4万円ほどだ。Surface GoではPIPC版のOffice Home & Business 2016が差額2万円ほどで付属する。Windows PCにPIPC版を付属した場合の差額は2.5万〜3万円ほどなので若干お得とはいえるが、一緒に購入したSurface Goのみで利用できるライセンスという点は注意したい。

 なお、米国には「教育・軍事関係者向けモデル」があるが、これは日本モデルの「教育機関向け」とは違い、割引対象に該当する関係者が少しだけ安価に製品を購入するためのプログラムだ。両者は若干性格が異なり、実際はボリュームディスカウントなどで一括導入時などでは価格も変わってくるだろう。

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