88星座の「アンドロメダ」は秋の夜空に見える代表的な星座の1つだが、最近PC業界で話題に挙がる「Andromeda」といえば、モバイル市場をターゲットにしたMicrosoftの新プロジェクトのことだ。同社からの正式発表はなく、詳細は依然不明だが、「折りたたみ型デバイス向けのOSと、それが動作するハードウェアのプラットフォーム」や「2018年にリリース予定」などのウワサがある。
今回はこのAndromedaに関して新しい情報が出てきたので、過去のレポートを参照しつつ紹介していきたい。
この新情報は、Microsoft系のリーク情報でおなじみのTwitterアカウントであるWalkingCatが伝えている。
Microsoftは6月27日(米国時間)、Windows Insider ProgramのFast Ringユーザー向けに最新のWindows 10 Insider Previewである「Build 17704」の配信を開始したが、この直前の配信ビルドである「Build 17692」の差分をチェックしたところ、「Hinge」という新しいAPIが追加されていることを確認したと、Vitor de LuccaというユーザーがWalkingCatに報告した。その全差分は同氏のGitHubリポジトリ上で確認できる。
WalkingCatはその情報を基に、ポイントとなる部分をハイライトし、「Windows.System.Preview.HingeState」には「Unknown(不明)」「Closed(閉じている)」「Concave(凹型に開いている)」「Flat(平らである)」「 Convex(凸型に開いている)」「Full(完全に開いている)」の6種類のステートが存在することを紹介している。
ノートPCやキーボード付きタブレットのヒンジが180度以上開くのは、もはやごく普通のことだが、なぜ今Build 17704、つまり次期Windows 10大型アップデート「Redstone 5(RS5)」の段階で、あえてAPIとして状態取得のための機能を搭載したのかが話題になっている。
意図するところは不明ながら、これが「Microsoftの折りたたみ型デバイス」としてうわさされるAndromedaなのではないか、との予想が出ている。
RS5のリリースは、順当にいけば「Windows 10(バージョン1809)」として2018年10月ごろが見込まれる。そのため、同年末のホリデーシーズン向け製品として10月末から11月ごろにかけてRS5を搭載した製品が市場投入されれば、タイミング的には適当と考えられるからだ。
このAPI関連の話題が飛び出した2日後、今度は米The Vergeのトム・ワーレン氏がMicrosoftの内部情報として、「新しいカテゴリーのSurfaceデバイスを少なくとも2年間にわたって開発し続けている」と報じている。
これは同氏がMicrosoftの内部文書を入手したというもので、内容的には2画面の折りたたみ型デバイスという既存の情報の域を出ないものの、「折りたたんでポケットに入れることができるSurface」と表現されている。ワーレン氏が現状で把握している形状は、デザイナーのデビッド・ブライヤー氏が以前作成してTwitterに投稿した2画面Surfaceのコンセプトアートと同じようだという。
ワーレン氏はこれ以外の詳細には触れていないが、仮に折りたたみ状態でポケットサイズだとすれば、1画面あたりのサイズはおおよそ今日の大画面スマートフォンと同程度だと予想され、5〜6型程度のサイズに収まる。
過去に出ていた特許関連の資料を参照する限り、タッチ式のディスプレイにはキーボードを表示してノートPC的に使うことが可能というアイデアも盛り込まれており、手帳的な使い方をすると考えれば、最近のスマートフォンで増えつつある「18:9」の縦長に近いパネルが採用されるのではないかと推察する。これを折りたたみ型として2画面を組み合わせた状態で開くと、見開きで8〜10型程度の大画面になるだろう。
このデバイスをMicrosoftがどのようにアピールするかは不明だが、ヒンジを使って変形する複数のモードと、見開き大画面を使ったコンテンツやサービスが提案されるに違いない。
未確認情報ではあるものの、2018年後半にリリースが見込まれる他のSurface製品はマイナーチェンジが多いと予想されているため、こうした新しいカテゴリーのデバイスの話題は久々に盛り上がることになりそうだ。
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