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Microsoftのクロスプラットフォーム戦略が加速 OfficeとEdgeをWindows以外に積極展開へ:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」

» 2017年12月06日 06時00分 公開

 Microsoftがスマートフォン市場を攻めるために投入した「Windows 10 Mobile」だが、2017年10月には実質的な「終了宣言」とも言えるコメントがあり、今後はバグ修正やセキュリティ更新が中心で、新機能や新ハードウェアの登場は期待できないことが判明した。

 同社はこのスマートフォン戦略の失敗から、モバイルのプラットフォームにおけるシェアでGoogleのAndroidやAppleのiOSに大きく水をあけられ、PCで圧倒的なシェアを誇るWindowsの優位性を生かせずにいる。

 そのため、Microsoftが近年重視しているのは、「クラウドとアプリケーションを介してデバイス中立のサービス環境を構築する」という、Windowsプラットフォームでの囲い込みにこだわらない、ある意味ではWindowsを必ずしも使わなくていいようなクラウド中心の戦略だ。

 そうした世界の中でPCをより扱いやすくするため、Windows 10のアップデートではAndroidやiOSと連携できる機能を増やしている。2018年3月ごろに配信が始まるWindows 10の次期大型アップデート「Redstone 4」に搭載される「タイムライン」や「クラウドクリップボード」といった新機能はその典型と言える。

Timeline Windows 10の次期大型アップデート「Redstone 4」に搭載される予定の「タイムライン(Timeline)」機能

 そして、OSの異なる複数デバイスをまたいだ1つのシームレスなユーザー体験を実現すべくMicrosoftが進めている「Project Rome」は、これを実現するための仕掛けだ。

iPhone、Androidはもちろん、Chromebookにも広がるOffice

 こうした中、新しい話題として飛び込んできたのが「ChromebookでのAndroid版Officeアプリ対応」だ。

 Chrome専門メディアの米Chrome Unboxedは11月22日(現地時間)、Googleの「Chrome OS」を搭載したデバイス「Chromebook」の一部機種で、Google PlayからAndroid版Officeアプリ「Word」「Excel」「PowerPoint」のダウンロード、インストールが可能になったと報じた。

Office Android版のOfficeアプリが、一部のChromebookで使えるようになった

 MicrosoftはもともとChromebookユーザー向けにWeb版Officeの機能を提供し、その後さらに高機能なAndroid版Officeアプリの提供も開始している。一方で、Chromebook版Officeアプリの開発は停滞しており、後に一部ユーザー向けにβ版アプリが提供されたものの、長らく一般向けに提供されていなかった。

 Googleは2017年1月、ChromebookでAndroidアプリおよびGoogle Playストアを利用できるようにしたが、Android版OfficeアプリをChromebook向けには提供していなかったため、ようやくChromebookで高機能なAndroid版Officeアプリが使えるようになったというわけだ。

 Chrome Unboxedは、Microsoftのコメントとして「Googleとの協業でフル機能を備えたAndroid版OfficeアプリのChromebookへの提供を計画しており、この準備ができたため、Google Playでのβ表記を外して一般提供を開始した」との内容を紹介している。

 Android版Officeは、画面サイズが10.1型以下のデバイスではMicrosoftアカウントのログインを条件に無料で利用可能だ。それより大きな画面サイズのデバイスで編集・保存といった作業を行うには、「Office 365」の契約が必要になる。

 つまり、基本的にはOffice 365との併用が前提となっており、その点でMicrosoftのクラウド中心戦略にかなったものだ。

EdgeがAndroidとiOSに正式対応(ただし日本は含まず)

 これに呼応するかのように、米Microsoftが10月上旬にリリースしたAndroid/iOS版のEdgeブラウザβ版も、11月30日(現地時間)に正式版としての配信が始まった。現状で米国や英国、フランス、中国などで利用できるが、対応地域に日本は含まれていない。

 iOS版とAndroid版のEdgeは、PC版のEdgeとホーム画面の共有やコンテンツの同期が可能だ。9月に配信が始まったWindows 10の大型アップデート「Fall Creators Update」で追加された新機能「Continue on PC」に対応し、PC版のEdgeで見ていたページをAndroidやiOSのEdgeで開いたり、その逆ができたりする。

Edge PC版のEdgeで見ていたページをスマートフォンのEdgeで開いたり、その逆ができたりする

Microsoftのクロスプラットフォーム戦略はさらに加速へ

 このように、Microsoftがモバイル市場を攻略できなかったため、PCとスマートフォンの連携で不便を強いられていたことの一部は同社のアプリを利用することで解決できるようになりつつある。今後もWindowsを飛び出したクロスプラットフォーム戦略は加速していくだろう。

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