Windows 10はスマートスピーカーのトレンドにどう対応するのか鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/2 ページ)

» 2017年11月30日 09時30分 公開

 2017年は日本にとって、スマートスピーカー元年となった。

 LINEの「Clova WAVE」を皮切りに、既に海外で展開されていたGoogleの「Google Home」、そしてこの市場を生み出してリードしているAmazon.comの「Amazon Echo」が次々と日本で発売になり、この冬のヒット商品に挙げられるほどの注目を集めている。

Amazon Echo 日本でもついに発売された「Amazon Echo」

 残念ながら2017年内の市場投入は間に合わなかったものの、Appleも「HomePod」と呼ばれるスピーカー製品を発表しており、海外では2018年初頭に発売する見込みだ。

HomePod 当初は2017年に市場投入されるはずだったが、ひっそりと発売延期が告知されたAppleの「HomePod」

スマートスピーカー製品で出遅れたMicrosoftだが……

 一方、Amazon.comに追随する形で、Googleなどとほぼ同じ時期からこうした製品の開発を進めていたMicrosoftの動向はどうだろうか。

 同社がWindows 10標準の音声対応アシスタント「Cortana」に対応したIoTデバイス、中でもスマートスピーカーに初めて公式に言及したのは、2016年12月に開催したイベントのWinHEC Shenzhen 2016だった。同月には、Harman Kardonと提携してCortana対応スマートスピーカーのティーザー広告を出し、後に「Invoke」という製品名を明らかにした。

 翌2017年5月に開催したイベントのBuild 2017では、同プラットフォームにおけるCortanaの機能拡張である「Cortana Skill」の開発をデベロッパーらに呼び掛けたが、Invokeの発売についてアナウンスがない状態が続いた。

 そしていよいよ2017年10月22日(現地時間)に、Invokeの販売を米国で開始したわけだが、既にライバル各社が製品を続々と市場投入しているにもかかわらず、製品予告から1年近くが経過してから後発での発売となってしまい、遅きに失した感もある。

InvokeInvoke 米Microsoft直営店のMicrosoftストアに展示されていた「Cortana」搭載スマートスピーカーの「Invoke」(写真=左)。展示コーナー背面には「Experience the future today(未来を今日体験しよう)」のキャッチ(写真=右)

 正直なところ、このInvokeがセールス的に成功するとは思えないが、もちろんMicrosoftの取り組みはこれで終わりではない。同社はAmazon.comとの連携により、Amazon.comのアシスタント「Alexa」とCortanaの相互接続を間もなく開始する他、IoT向けWindows 10である「Windows 10 IoT Core」のさらなるCortana活用を模索しているようだ。

ディスプレイを搭載してもスマートスピーカー?

 ところで、スマートスピーカーには「情報表示用のディスプレイ」を搭載した製品もあることをご存じだろうか。

 スマートスピーカーが「スピーカーとマイクのみを内蔵して音声インタフェースに特化した製品」だとすれば、ディスプレイ搭載のスマートスピーカーとは「一体何なのだ?」とも思うが、従来のPCやタッチ操作中心のスマートデバイスとは異なる「家庭向けのインタフェース装置」と考えれば、これもまたスマートスピーカーの一種なのだろう。

 ディスプレイ搭載スマートスピーカーのトレンドとしては、2017年6月末に米国市場で発売された「Amazon Echo Show」から始まり、現在LINEが発売を予告している「Clova Smart Display FACE」など、従来のスマートスピーカーを拡充するバリエーションの1つとして製品が市場投入されている。

 Amazon Echo Showはニュースや天気予報のような情報の表示だけでなく、YouTubeなどの動画再生まで可能な製品であり、標準的なAmazon Echoの「高級版」的な位置付けだった。

 現在、2017年のホリデーシーズン商戦では180ドル程度の価格と、以前に比べても3分の2程度に落ち着いており、だいぶ入手しやすくなったが、実際のセールス状況は12月に入ってAmazon.comの公式発表を待つしかないだろう。

Amazon Echo Show Amazon Echoファミリーのディスプレイ搭載モデル「Amazon Echo Show」

 一方でLINEのClova Smart Display FACEはその名の通り「顔」の部分にフォーカスが当てられており、対話インタフェースとしてのムードを表現する「顔」がディスプレイには表示される。その他の情報も表示できるが、どちらかと言えばディスプレイ装置は補助的な存在に近い。

Clova Smart Display FACE LINEが発売を予告している「Clova Smart Display FACE」

 さて、話題をMicrosoftに戻そう。同社はもともとスマートスピーカーだけでなく、さまざまな形態の組み込み機器にCortanaを搭載することを想定していたようだ。それは、Invokeなど組み込み製品向けのOSとして発表されたWindows 10 IoT Coreにおいて、ディスプレイの有無で異なるハードウェアスペックを定義していることからも伺える。

 もともとは「KIOSK端末」「サイネージ」といったタッチパネルやディスプレイを搭載した機器での利用を想定したものだが、同時にMicrosoftは「全てのデバイスにCortanaを」というスタンスで、Windows 10 IoT Coreにおいても例外ではなくCortana対応をうたっている。

 つまり、Amazon Echo(Show)ライクなデバイスの投入は、当初から視野に入っていたはずだ。

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