予期せぬWindowsのアップデートと再起動でイライラすることも近い将来なくなる?:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」

» 2018年08月02日 13時00分 公開

 Windows 10では、デバイスの最新状態を維持するため、Windows Updateのダウンロードとインストールが自動で実行される。インストールの完了には再起動が必要だ。デバイスの使用中に再起動を求めるメッセージが表示された場合、都合のよい時間に再起動の設定をし直せるが、結局のところ早めに再起動しなければデバイスの最新状態は保てない。

 そもそも、PCで集中して作業しているときなどに、再起動を促すメッセージが表示されること自体にストレスを感じているユーザーも少なくないだろう。こうしたユーザーのため、PCを使用しない時間帯に再起動が行われるよう「アクティブ時間」の設定も可能だが、PCを使う時間帯が不規則な場合などには対応しづらい(法人向けのWindows 10 Pro/Enterpriseはアップデートの適用を一次停止する設定も可能)。

Windows 10 Windows 10の自動アップデートにより、意図しないタイミングで再起動を求められることも少なくないだろう

 こんなWindows 10のアップデートに関する“イライラ”が、近い将来は緩和されるかもしれない。

予測モデルを使った新しいアップデート機能とは?

 開発中のWindows OSプレビュー版「Windows 10 Insider Preview」の新バージョン(ビルドと呼ぶ)を一般公開前に試用できる「Windows Insider Program」では、7月に大きな変化があった。

 7月25日(米国時間)、Windows 10 Insider Previewが、2018年10月ごろの一般公開が見込まれるWindows 10の次期大型アップデート「Redstone 5(RS5、バージョン1809)」に向けた開発途上版と、その“さらに先”にある2019年春に一般公開される見込みの大型アップデート「19H1」の2つに分岐したのだ。

 この際、米Microsoftは公式ブログでさらっと触れているだけなのに、一部で話題になっているのが、アップデートの体験を改善する「predictive model(予測モデル)」と表現された新機能だ。これはWindows 10 Insider Previewの「Build 17723」(RS5)と「Build 18204」(19H1)の公開時に発表された。

 簡単にまとめると、予期しないタイミングで発生したデバイスのアップデートおよび再起動で待たされた経験があるユーザーに対して、この苦痛を軽減すべく「どのタイミングでアップデートと再起動を行うべきかをシステムが判断する」機能を搭載し、学習によってアップデートと再起動をいつ行うのが最適なのかの予測が可能になるという。

 Windows Insider Program担当のドナ・サルカール氏とブランドン・ルブラン氏によれば、デバイスの再起動前に「ユーザーが実際に利用しているかをチェックしてから判断をする」というだけでなく、例えば「休憩のためにちょっと離席」といった数分ほど席を離れた状況で勝手に再起動が行われ、十数分から数十分程度のアップデート待ち時間が発生したり、作業中のデータなどが消えてしまったり、といったトラブルを回避可能になるとしている。

 冒頭で述べた通り、現在でも再起動前にWindows 10はその旨を確認してくる仕組みがあるが、これが必ずしもユーザーの意図したタイミングであるとは限らず、「苦痛を和らげる仕組み」という表現でMicrosoftがユーザーの苦情を代弁しているのは面白い。

 「だったらアクティブ時間を指定して、自分が作業する時間を避けてアップデートさせればいいのではないか」という人もいるかもしれないが、皆が皆にいちいち細かい設定を要求するのは酷な話だろう。もはや万人が利用するWindowsでは、細かい設定や特別な知識なくPCを快適に使いこなせるのが理想であり、Windows 10もまたその方向を目指している。

Windows 10 自動的に再起動しない「アクティブ時間」の設定も可能だが……

 例えば、Windows標準のセキュリティ機能「Windows Defender」は大幅に強化され、Windows 10の世代ではMicrosoftが「標準のセキュリティ技術だけで十分」と語るまでになった。その他にもWindows単体でできることは増えており、多くの機能は自動化されつつある。今後もアップデートのタイミングをマニュアル設定に依存し続けるのは、目指すべき方向ではないと考える(たとえ自動化が短期的な新たなトラブルの原因になったとしても)。

 なお、この予測モデルを使ったアップデート機能だが、内部テストを経て「前途有望な結果」があると太鼓判を押している。Windows 10 Insider Previewを通じたユーターからのバグ報告も積極的に求めており、実用レベルに達するのにそれほど時間はかからないと考えているようだ。

 恐らく残りの開発期間から考えて、致命的な問題が発見されなければ、RS5の目玉機能の一つとなる可能性が高い。仮に延期したとしても19H1のタイミングには実用化されそうだ。

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