Windows 10は1年に2回、春と秋に大型アップデートを行う開発サイクルになっている。現行バージョンは2018年4月末にリリースされた「April 2018 Update(1803)」で、開発中に「Redstone 4(RS4)」と呼ばれていたものだ。
2018年4月末に一般公開された「Windows 10 April 2018 Update」(写真はWindows公式ブログの発表より)
次期大型アップデートは「Redstone 5(RS5)」と呼ばれており、2018年秋(10月ごろ)の一般公開に向けて開発が進んでいる。開発は後半戦に入ってきた段階だ。その進捗は、Microsoftのユーザー参加型開発プログラム「Windows Insider Program」で配信されるプレビュー版「Windows 10 Insider Preview」の更新状況から知ることができる。
当初は筆者が「目立った変更点が少ない」と表現したRS5相当のプレビュー版だが、地味な部分が中心ではあるものの、改良が続けられている。ここではWindows 10 Insider PreviewでRS5相当バージョン(ビルドと呼ぶ)の開発がどのように進んできているのか、April 2018 Updateの一般公開後から直近の7月25日まで、つまり開発中盤時点でのアップデート履歴をまとめた。
Windows 10 Insider Previewでは不具合の修正も多いが、不具合の修正や既知の問題については省いている。
- 「Windows Ink Workspace」の「Screen Sketch(画面スケッチ)」をアプリ化(Microsoftストアで更新可)
- Screen Sketch呼び出し方法の改良(「Windows」+「Shift」+「S」でツールバー呼び出し→矩形、フリーハンド、画面全体のキャプチャーが可能)
- Fast Ring以降のユーザーに「Sets」(アプリとブラウザのタブを1つのウィンドウに集約)機能復活
- 「Windows Defender Security Center」の名称が「Windows Security」に
- フルスクリーンゲームで「Focus assist」の機能が自動オンに
- 「サウンド」設定に「デバイスのプロパティ」を統合
- 絵文字、顔文字、記号入力パネルのIMEからの呼び出し
- HEICでのメタデータ編集機能
これまで「Windows Ink」の一機能だった「Screen Sketch(画面スケッチ)」がアプリとして独立。「Windows」+「Shift」+「S」キーでツールバーが出現し、矩形、フリーハンド、画面全体などの方法で画面キャプチャーが行える
iPhoneやMacがいち早く対応した新しい画像ファイルフォーマットであるHEIFをWindows 10(RS5)でもサポート
- Setsタイトルバーでの「Fluent Design」対応(半透明表示)
- 「Alt」+「Tab」での切り替え項目に「Edge」のタブが出現
- Setsでの新規ページ(アプリ)表示方法(タブか新規ウィンドウ)の切り替え機能
- タブ単位での消音機能
- 「クラウドクリップボード」と「クリップボード履歴」の導入
- 「Notepad(メモ帳)」で「CRLF」以外の改行文字サポート
- Notepadで「ハイライトした文字をBing検索」機能の導入
- スタートメニューでの「検索プレビュー」導入
- ファイルエクスプローラーに「Dark theme」導入
- 「タイルフォルダ」に名称追加機能
- 設定メニューでの「FAQ」機能追加
- 「Your Phone」アプリの追加
「Sets」とは、さまざまなアプリとWebブラウザのタブが1つのウィンドウ内に混在し、相互に切り替えながら使えるという新しい仕組み。この画面では、メモ帳とEdgeブラウザのタブが1つのウィンドウ内に混在している。タイトルバーは「Fluent Design」に対応(半透明表示)した
クラウド(Microsoftアカウントなど)を介してクリップボードの内容をデバイス間で同期させられる「クラウドクリップボード」と、「クリップボード履歴」の機能を用意。「Windows」+「V」キーでクリップボード履歴にアクセスできる
ファイルエクスプローラーに「Dark theme」を導入
- 「Windows Security Center(WSC)」においてアンチウイルスソフトウェアの保護プロセスモードでの実行が必須に
- WSL(Windows Subsystem for Linux)有効時、「Shift」+右クリックのメニューでLinuxシェルにアクセス可能に
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