「Mixed Reality Flashlight」の利用イメージ。Windows MR対応HMDの装着時は視界が映像で覆われるが、この機能を使えばHMD内蔵カメラで外の様子を撮影し、懐中電灯で照らすように現実世界を合成表示できるアップデートの履歴は以上となる。筆者がこの中で一番のトピックを挙げるならば、「Build 17704」における「Sets」の廃止だろう。Setsとは、さまざまなアプリとWebブラウザのタブが1つのウィンドウ内に混在し、相互に切り替えながら使えるという新しい仕組みのことだ。
Microsoftでは折りをみて機能を復活させるため、今後提供するWindows 10 Insider Previewのビルドに盛り込んでいく計画があるとしているが、筆者としては従来のWindowsのユーザー体験を大きく変化させる機能であり、同時に企業ユーザーを中心にユーザー教育面でのマイナスインパクトも大きく、「時期尚早」な機能だったのではないかと考えている。
アップデートにおけるUIの変更はある意味で避けられないが、こうした変化に付いていくのが難しいユーザーも含めてWindowsのエコシステムが構成されているため、一部ユーザーのみに着目した改良が必ずしもいい方向に作用するとは限らない。
その意味でSetsはまだまだ改良の余地の大きい機能であり、Windows Insider Programを通じて事前テストでフィードバックを得られたおかげで、UIの大きな変更を伴う新OS(あるいはアップデート)のいきなりの広域展開といった事態を避けられたように思う。ユーザーと開発者が対話しながらOSを改良していくという試みの成功例として非常に興味深い。
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