Windowsユーザーにとって恐怖のブルースクリーンがグリーンになる?鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/2 ページ)

» 2017年01月06日 06時00分 公開
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 2016年末の本連載で触れたように、米Microsoftが年末年始の休暇モードから復帰してWindows Insider Program向けにWindows 10 Insider Previewの最新ビルド配信を再開するまでにはまだしばらく時間がかかるだろう。

 今回は、この休暇時期に出てきた小ネタをまとめて紹介したい。

Build 14986 通常のWindows Insider Program参加者に配信された2016年最後のWindows 10 Insider Previewである「Build 14986」(画像はCortanaに天気予報を聞いた結果)

2016年末のBuild 14997に新たな変更点

 おさらいすると、2016年末の記事では以下の4つのポイントを紹介した。

  • Build 14986がFast RingおよびSlow Ring向けの最新ビルド
  • 一部のInsiderに配信されたBuild 14993はWindows 10 IoT Core向け
  • 配信前のBuild 14997という内部ビルドが外部に流出
  • Microsoft社内で配信した最新ビルド(Canary)はBuild 15000.1000
BuildFeed BuildFeedに掲載された2016年12月25日時点の最新ビルド。Microsoft社内の最新は「Build 15000.1000」だった

 その時点では「Build 14997はマイナーチェンジで大きな変更点はない」としていたが、その後の調査では幾つかの新しいトピックが含まれているようだ。

 Windowsの最新動向を投稿することで知られるWalkingCatというTwitterアカウントが、Build 14997における「Game Mode」の存在を示唆している。

 Build 14997では「gamemode.dll」という新しいファイルが出現しており、これがWindows 10でのゲームプレイ時にCPUなどのリソースを最優先で割り当て、OS全体の動作を最適化するものだという。

 順当にいけば、2017年春にも一般向けの配信が始まるWindows 10の次期大型アップデート「Creators Update」に、このGame Modeが追加される見込みだ。

 このGame Modeの狙いについて、米Windows Centralは「多くのWindows 10搭載PCでXbox Oneやそれに続くProject Scorpioのゲーム体験を楽しめるようにすること」にあると指摘している。Project Scorpioは2016年のE3でMicrosoftが発表した性能強化版のXbox Oneで、2017年の年末商戦時期に向けて投入する見込みだ。

 Windows 10 for PC、Xbox One、Project Scorpioなどのプラットフォームを横断してUWP(Universal Windows Platform)ベースの共通したゲームアプリを開発できるようにする仕組みは「Project Helix」と呼ばれ、「(全てのプラットフォームで共通の)1つのWindows」を掲げるMicrosoftを象徴するプロジェクトの1つと言える。

 ただし、ゲームに最適化されたコンソールのXbox Oneに比べて、PCの性能はハイエンドからローエンドまでバラバラであり、これを少しでも高度なゲームの利用に最適化された形にすり合わせていこう、というのがGame Modeの存在理由と推察されている。

 「ゲームとWindows 10」というくくりでは、もう1つ興味深いデータがある。ゲーム配信プラットフォームの「Steam」はサービスに接続するユーザーのハードウェア利用状況を逐次レポートしているが、これによれば2016年12月時点での利用OSシェアは50%超がWindows 10で、3割強のWindows 7を引き離しているのだ。

 2016年末の振り返り記事で「Windows 10のデスクトップOSシェアは25%弱」「多くはコンシューマーに偏っている」ということを指摘したが、比較的ヘビーなWindowsユーザーと思われるゲーマー層ではWindows 10のシェアの高さが際立っている。

 今回のGame Modeの登場は、こうしたWindows 10ユーザーのほか、いまだ大きな勢力として存在するWindows 7ユーザーに対して、UWPゲームのよさをあらためて訴えることが狙いと考えられる。

フリーズ時のブルースクリーンが廃止される?

 最近、ハードウェアのトラブルに見舞われやすい自作PCに触れる機会がほとんどないせいか、個人的にほとんど遭遇することのなくなった「ブルースクリーン(Blue Screen of Death:BSoD)」だが、これが間もなくWindows 10で廃止されるというウワサがある。

 とはいっても、ハードウェアのトラブルでPCがフリーズする現象自体がなくなるわけではなく、青い画面が「緑色の画面(Green Screen of Death:GSoD)」に変わるだけなのだが……。

BSoD Windows 10がフリーズしたときに表示される画面と言えば、ブルースクリーンだが……

 Windows Centralは、Build 14997を使ったユーザーがBSoDではなくGSoDが出ている様子をTwitterに投稿したと報告している。これについては、当該のユーザーが写真を投稿する数日前に、米MicorosftのシニアプログラムマネージャーであるMatthijs Hoekstra氏がBSoDの背景色変更をほのめかしていた。恐らく次の更新タイミングでFast Ringのユーザーに配信されるInsider Previewでは、GSoDに変更されていることだろう。

 Game Modeも含め、このようにBuild 14997では幾つかのアップデートが含まれていることが確認できたが、Fast Ringユーザーへ1月9日週以降に配信されるInsider Previewは「もう少し新しいビルド番号」なると予想している。前回の配信から1カ月近く間隔が空くことになるが、正式に配信が開始された段階であらためて検証したい。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月19日 更新
最新トピックスPR

過去記事カレンダー