12月も半ばを過ぎると米国はホリデーシーズン真っ盛りとなり、街中がにぎわう一方、企業では早めのバカンスに入ることも珍しくない。Microsoftが2016年に行うべき発表や、ソフトウェアおよびハードウェアの開発、各種アップデートも一段落した印象だが、幾つか細かいトピックが出てきたのでまとめよう。
まずはWindows Insider Programで配布されているWindows 10の開発プレビュー版「Windows 10 Insider Preview」の話題から。「PC向けWindows 10におけるSnapdragonサポート」の発表に合わせたタイミングで、Microsoftは12月7日(現地時間)にWindows Insider ProgramのFast Ring参加者へ「Build 14986」を配信している。12月16日にはSlow Ring参加者向けにも提供を開始し、12月22日にはISOイメージも公開した。
Build 14986は、音声アシスタント「Cortana」の機能強化が目玉だ。Cortanaの音声操作で、PCのシャットダウンをはじめ、再起動、ロック、スリープと復帰、音量調整が行えるようになった。また、ロック画面でCortanaを呼び出すと、全画面モードで応答する。
このほか、「Windows」+「G」キーで起動する「Windowsゲームバー」に19タイトルのフルスクリーン対応ゲームを追加し、Windows Inkのスケッチ復帰など使い勝手改良、Edgeブラウザの拡張機能追加、UWPアプリのレンダリング改善、Windows Defenderダッシュボードの搭載、レジストリエディタや日本語および中国語のIME強化、ナレーター機能の改善などがみられる。
12月16日にはWindows Insider Programを担当するドナ・サルカール氏がTwitterの投稿で、年内にInsider向けの新ビルドはもう提供しないことを告知している。年末年始でビルドの更新ペースが通常より落ちることを考慮すれば、Fast Ring向けの新ビルド配信の再開は1月の2週目以降になるだろう。
ただ、新ビルドに関しては幾つか気になる情報がある。内容的にはマイナーチェンジにとどまるが、「Build 14997」という内部ビルドが流出しているほか、開発中のWindowsビルドが確認できるBuildFeedのサイトでは12月21日のタイムスタンプでCanary(カナリア:Microsoft社内の開発チーム向けに配信される最速ビルド)に「Build 15000.1000」が登場している。年内はMicrosoft社内ビルドもBuild 15000でほぼ打ち止めだろう。
BuildFeedのサイトには「Current Insider」として「Build 14993」も登録されており、こちらも気になるところだ。調べてみたところ、このBuild 14993は組み込み向けWindows OSの「Windows 10 IoT Core」に関するビルドで、一般のWindows Insider Program参加者には配布されていないらしい。
Microsoftの開発者向けフォーラムにあがった報告によれば、2017年早期に一般公開されるというWindows 10の次期大型アップデート「Creators Update」に含まれる予定の「Windows 10 IoT CoreのCortanaサポート」が同ビルドに含まれている。Windows 10 IoT Coreは積極的に機能が強化されており、新たなWindows 10デバイスの登場が2017年以降には期待できそうだ。
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