なお、Build 14997以前から既に組み込まれていた機能のようだが、Microsoftはクロスプラットフォーム環境で写真や動画を共有して楽しむサービス「Belize(ベリーズ)」を準備しているとみられる。
Microsoftのサービス専門ブログメディアである米MSPoweruseは、Windows 10標準搭載の「Photos」アプリのファイルを解析したユーザーからの指摘で、「Belize」と書かれた複数の痕跡を発見したことを報告した。
内部にはAndroid、iOS、UWPの3種類のプラットフォームに対応したQRコードの画像ファイルが含まれており、これらをターゲットにプラットフォームを横断してサービスが利用できるとみられる。このQRコード自体はMicrosoftが最近買収したHockeyAppというアプリ解析プラットフォームで使用されるもので、直接読み込んでも意味がないが、サービス内容の推測には大きな意味を持つ。
現時点ではPhotosアプリの一部に組み込まれているようだが、将来的にはUWPアプリとして独立した形でWindowsプラットフォームに提供されると考えられる。
ちなみにBelizeとは中米にある国の名称だが、現地のトロピカルなバカンスの雰囲気を思い出に……ということで写真共有サービスの名称に採用されたのかは不明だ。Microsoftの写真共有サービスは既に撤退したものを含め、さまざまな形で10年以上にわたって存在し続けており、今回はその最新ステップとなる。
この分野での動きが最近になり活発化していることを最初に報じたのは、米ZDNetのメアリー・ジョー・フォリー氏だ。Microsoft ResearchやOneDriveチームと連携する形で、同社の「Evoke Studio」がこの種の共有型サービスを開発するために人員を募集していることが2016年前半ごろに明らかになった。
このサービスの特徴は、単に写真や動画をクラウド上にアップロードして共有するのではなく、機械学習などを組み合わせて大量のデータを一括処理して最適な形に再構成する点にある。「自動化」が主眼に置かれている点が興味深い。
振り返ること2015年、MicrosoftがOneDriveストレージ容量の削減を行った際に「このままではユーザーにそっぽを向かれる」ということを指摘したが、もし仮に優れたユニークなサービスを提供できれば、ユーザーの心証は変わるだろうか。
筆者は既に、OneDriveを原稿やOffice文書の共有など軽めのファイルのデバイス間共有でしか使っていないが、魅力あるサービスをあらためて提案してくれるのであれば歓迎したい。
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