先週のレポートから引き続き、メモリの状況は厳しさを増している。
HDDやSSDも値上がりや品薄傾向が見られるものの、「深刻さではメモリが群を抜いています」(TSUKUMO eX.)といわれる具合だ。同じく値上がりと品薄が懸念されているグラフィックスカードは相対的に変動が少ない状態を維持しており、多くのショップで「踏み止まっている」との声を聞いた。
メモリの深刻さから、自作マシンの構成トレンドも変わってきている。多くのショップで売れ筋となっているのは32GBキット(16GB×2枚)だという。
64GBキット(32GB×2枚)は比較的在庫をそろえているショップが多いが、「10万円を超える製品もザラになってきていますし、モノによっては20万円近くにもなりますから、トータルでの予算を考えて32GBキットにとどめる人が多いですね。1〜2年はメモリ容量を抑えつつ、グラフィックスカードやCPUを強化して耐えるといった作戦をよく聞きます」(某ショップ)という。
さらに大容量の128GBキット(64GB×2枚)になると品薄感がさらに強まり、価格の高騰も激しいため、余程の事情がないと選ばれなくなっているという。各ショップの価格表を眺めても、在庫があるものは18万円前後から25万円に達するものまで、やはり値上がりが顕著だ。
こういった傾向が当分続くことは、もはや受け入れるしかない。アキバ全体で理解されているためか、どのショップでも目立った混乱はなく、静かに事態の進行を見守っている状況だ。パソコンSHOPアークは「とりあえず旧正月までは高騰と枯渇が続きそうです。その後にどうなるかは不透明ですね」と語る。楽観的な気配はない。
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