メモリは64GBキットを断念する空気感――128GBは何と20万円前後に古田雄介の週末アキバ速報(1/2 ページ)

» 2025年12月13日 06時00分 公開
[古田雄介ITmedia]

 先週のレポートから引き続き、メモリの状況は厳しさを増している。

「とりあえず旧正月までは高騰と枯渇が続きそうです」

 HDDやSSDも値上がりや品薄傾向が見られるものの、「深刻さではメモリが群を抜いています」(TSUKUMO eX.)といわれる具合だ。同じく値上がりと品薄が懸念されているグラフィックスカードは相対的に変動が少ない状態を維持しており、多くのショップで「踏み止まっている」との声を聞いた。

TSUKUMO eX.のDDR5メモリ価格表(2025年12月12日夕方に撮影。以下同時刻) TSUKUMO eX.のDDR5メモリ価格表(2025年12月12日夕方に撮影。以下同時刻)

 メモリの深刻さから、自作マシンの構成トレンドも変わってきている。多くのショップで売れ筋となっているのは32GBキット(16GB×2枚)だという。

 64GBキット(32GB×2枚)は比較的在庫をそろえているショップが多いが、「10万円を超える製品もザラになってきていますし、モノによっては20万円近くにもなりますから、トータルでの予算を考えて32GBキットにとどめる人が多いですね。1〜2年はメモリ容量を抑えつつ、グラフィックスカードやCPUを強化して耐えるといった作戦をよく聞きます」(某ショップ)という。

 さらに大容量の128GBキット(64GB×2枚)になると品薄感がさらに強まり、価格の高騰も激しいため、余程の事情がないと選ばれなくなっているという。各ショップの価格表を眺めても、在庫があるものは18万円前後から25万円に達するものまで、やはり値上がりが顕著だ。

ドスパラ秋葉原本店のDDR5-6400の価格表 ドスパラ秋葉原本店のDDR5-6400の価格表
パソコン工房秋葉原パーツ館のDDR5-5600の価格表 パソコン工房秋葉原パーツ館のDDR5-5600の価格表
パソコンSHOPアークのDDR5-5600の価格表 パソコンSHOPアークのDDR5-5600の価格表

 こういった傾向が当分続くことは、もはや受け入れるしかない。アキバ全体で理解されているためか、どのショップでも目立った混乱はなく、静かに事態の進行を見守っている状況だ。パソコンSHOPアークは「とりあえず旧正月までは高騰と枯渇が続きそうです。その後にどうなるかは不透明ですね」と語る。楽観的な気配はない。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー