昨今、世界的にメモリやストレージの在庫不足と価格高騰が日々深刻化している。このことは、ITmedia PC USERを含むPC関連メディアでも話題となっている。
この状況は、海外でも同様なのだろうか――この記事では、「台湾の秋葉原」と呼ばれる、八徳商圏(光華商場)を中心に、台湾・台北市の電気街で現地調査を行って分かったことをお伝えする。
なお、台北市での調査は12月8日、日本(東京・秋葉原)での調査は12月11日に実施している。また、台湾での価格は「1台湾ドル=5円」換算で計算している。
価格上昇が続くメモリだが、日本では10〜11月頃から値上げ幅が有意に大きくなっている。この傾向は台湾でも同様だ。
台湾の自作PCパーツショップでは、日本と同様にメモリの価格表が掲示されている。台北では紙での掲示が主流なのだが、最近は価格表の更新を“諦める”店舗が増えている。価格欄に「内洽(店員にお尋ねください)」と書いてあるものも珍しくないのだ。
そこで価格を尋ねると、値段の前に「AI(人工知能)需要で高くなっているんだよね」と前置かれることも多い。メモリの価格高騰の背景には、AI関連の需要増が関係していることを痛感させられる。
では、秋葉原と台北でメモリの値段に差はあるのだろうか。台湾の自作PC市場で人気を集めているKingstonの「Fury Beast DDR5-5600」とCrucial(Micron Technology)の「Pro Overclocking DDR5-6000」の16GB×2枚セットについて、価格を比べてみよう。
秋葉原の価格は3つの店舗で比較しているが、Fury Beast DDR5-5600については1店舗のみの取り扱いだった。また、台北の原價屋ではFury Beast DDR5-5600を「PCへの組み込み」限定で販売している。
上図を見る限り、パッと見では台北の値段よりも秋葉原の値段の方が高いように見えるが、12月12日時点でKingstonのメモリについては台北での価格が4万円を超えた。価格上昇については台湾の方が「ワンテンポ遅い」状況だが、値上がりの方向性は秋葉原と変わりない。
秋葉原のC店におけるFury Beast DDR5-5600の価格をよく見てみると、「WH(LEDライト付き)」よりも「BK(LEDライトなし)」の方が安いという“逆転現象”が発生している。これは恐らく新しく入った在庫から価格改定(≒値上げ)をしていることが原因だ。
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