プロナビ

Microsoftの決算から見えるWindows 10とIntelとの関係鈴木淳也の「Windowsフロントライン」

» 2019年05月09日 12時00分 公開

 米Microsoftは2019年4月24日(米国時間)、同社会計年度で2019年度第3四半期(2019年1〜3月期)の決算を発表した。同四半期の売上は306億ドルで前年同期比14ポイントの上昇、純利益は88億ドルで19ポイントの上昇となった。

Microsoftの決算にみる「Windows 10」

 同決算報告を株式市場では好感を示し、24日の時間外取引で株価は4%以上の急上昇を見せ、26日終了時点までに130ドル前後の水準で推移している。瞬間的ではあるものの、同社としては初の時価総額で1兆ドル企業に達しており、大きなマイルストーン達成となった。

Microsoft決算 Microsoftの過去30年の株価推移(出典:Google Finance)

 決算内容を見ていくと、Microsoft自身は「Commercial Cloudでの好調」をアピールしているものの、ほぼ全分野にわたって好業績を上げている。日本ではOffice 365のコンシューマー向け販売が好調だったことがハイライトされており、これまでライセンス永続型のOffice Perpetualが全盛だったトレンドが少し変化しているようにみえる。

 だが、今回注目したいのは「SurfaceとWindowsが好調で業績を押し上げた」という部分だ。Surfaceについては「Microsoftが(全社からみて)利益率の低いSurfaceにどこまで本気なのか」という意見もある一方で、同四半期の売上は2億3500万ドルの増加で前年同期比21ポイントの大幅上昇と着実に成長を続けている。これはコンシューマーと業務向けの両方での傾向とのことで、ブランドが一定以上浸透したことが分かる。

Microsoft決算 Microsoftの2019年度第3四半期決算の各部門売上と営業利益(出典:10Q)
Microsoft決算 Microsoftの2019年度第3四半期決算の製品別売上(出典:10Q)

 またWindowsについてはビジネスモデルの変化もあり、通常版ライセンスはここ数年減少傾向にあることが知られている。だが、今回のケースでは通常のOEMライセンスで前年同期比9ポイント、Proライセンスで15ポイントの上昇となり、特に企業向けでは18ポイントの大幅上昇となった。

 その要因として、Intelのプロセッサ供給問題が顕在化した2018年と比較して改善が進んだこと、企業での旺盛なPC需要にあるという。

PCの出荷台数は減っているが業績はプラスに

 興味深いのは、Gartnerが4月10日(米国時間)に発表した2019年第1四半期(1〜3月期)の世界のPC出荷台数調査報告では、市場全体の出荷台数は4.6%減少しているにもかかわらず、Microsoft側の業績にはプラスで反映されて見える点だ。

 筆者がメーカーの話として聞く限り、いまだCeleronなどの普及価格帯プロセッサの供給が大幅に滞る中で、IntelやPCメーカーは残った製造リソースを高価格帯のPC(プロセッサ)や需要の大きいChromebookに割り振っているということで、台数ベースでは減少しても、売上は台数減少分ほどには影響を受けていないようだ。

 またGartnerが指摘するように、Windows 10への移行を見越して企業向けのPC需要が大幅に増加しており、この「高価格帯へのシフト」「企業向けのライセンス需要」がMicrosoftのWindowsライセンス売上を押し上げたのだと推察する。

Microsoft決算 2019年第1四半期(1〜3月期)の世界のPC出荷台数調査報告(出典:Gartner)

 いずれにせよ、IntelのCPU生産能力が復活するかしないかに関わらず、今後1〜2年はPC需要が伸びる時期が続くと考えられ、これが結果としてMicrosoftの業績を底上げすることにつながりそうだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月09日 更新
  1. 超小型レトロオーディオ体験をFIIO「Snowsky ECHO NANO」で スマホリスニングのモヤモヤを解消するかも? (2026年09月08日)
  2. 「RTX Spark」搭載のWindows PCは10月に登場 LAN内のPCを束ねてローカルAI処理を分散・高速化する「NVIDIA PAIR」β版も公開 (2026年09月07日)
  3. 10月に登場する「RTX Spark」搭載PCで見た“不可解な”設定値 次期Windowsで変わるGPUメモリの仕組み (2026年09月07日)
  4. 両手が塞がっていても瞬間解錠できるスマートキー「SwitchBot スマートロック Ultra 顔認証パッド」がセールで20%オフの2万7980円に (2026年09月08日)
  5. 再来する“グラボ複数挿し”需要! 220mm径の巨大ファン搭載ケースやFractal新モデルがアキバで話題に (2026年09月07日)
  6. 省スペースで静音性に優れた3Dプリンタ「Bambu Lab A1 mini」がセールで25%オフの2万9900円に (2026年09月08日)
  7. 実売1万円台&縦置き対応! ONPUの14型モバイルディスプレイは初心者の強い味方だった (2026年09月08日)
  8. バッテリーを外せば約639g! 最新CPU「Intel Arc G3 Extreme」搭載の8型ゲーミングPC「OneXFly APEX Air」に触ってきた (2026年09月07日)
  9. HUION、アス比3:2の90Hz駆動ディスプレイを搭載したペン入力対応12.2型Androidタブレット (2026年09月08日)
  10. ラトックシステム、デュアル4Kディスプレイにも対応したHDMI切替器 (2026年09月08日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー