既に本連載で何度も報告しているように、Windows 7の延長サポートが2020年1月14日に終了する。もし企業ユーザーでこれ以降のサポートを望む場合、「Windows 7 Extended Security Updates」(ESU)という仕組みを用いることで最大3年まで更新サポートを継続できる。
このESUは、毎年価格が倍々ペースで上昇し、ユーザーへの移行を促す。基本的には「どうしても」というユーザー以外は延長サポート終了までに、まだサポートの続くWindows 10などへの移行を推奨しており、あくまでESUは最終的な保険という位置付けに過ぎない。
Microsoftは3月12日の「Making the transition to Windows 10 and Office 365」というBlog投稿の中で、Windows 7ならびにOffice 2010を使うユーザーを対象に「速やかにWindows 10とOffice 365への移行を検討」するよう述べている。
実際、Office 2010のEOS(End of Support)は2020年10月13日となっており、Windows 7のEOSからあまり間隔を空けずにやってくる。ライセンス永続版にあたるOffice Perpetualの「Office 2019」より「Office 365」をプッシュするあたりが昨今のMicrosoftらしいが、そろそろOffice 2010のEOSに対しても備えを進めておいた方がいいだろう。
同Blogの投稿では「Windows 7のサポートが間もなく終了する」旨を告知するポップアップウィンドウが出現するようになることを予告しているが、告知から約10日後に実際に警告メッセージの出現報告が行われている。
すぐにこの告知表示を無効化するTIPSが出回るなど、一部ユーザーからの「そんなことは分かっているからギリギリまで使わせてよ」という声も聞こえてくる。Microsoftによれば、Windows 7を使い続けているユーザーの多くは個人ユーザーよりも企業ユーザーということで、しかも「サポート終了をそもそも認識していない可能性がある」という状況のようだ。
つまり、買ってきた“パソコン”をそのまま社内業務で使い続けているケースで、改めてこうした告知が「サポート終了が近い」という認知向上につながる可能性が高いと筆者は考えている。
なお、Windows 7のサポート終了とそれに関する最新事情については、後日改めてレポートするつもりだ。
ここからは、現行のWindows 10を巡る最新事情を見ていこう。以前の本連載で、Windows Insider Program参加者向けに配信されているWindows 10 Insider Previewの「Build 18362」が、次期大型アップデート「19H1」(バージョン1903)になる可能性が高いという話題を紹介したが、Slow Ring向け配信で問題となっていた「最新ビルドにアップデートできない」「GSoDになる」(Green Screen of Death)といった現象を回避するアップデートや方法が提示されており、一連のトラブルは収束しつつあるようだ。
この間も「Build 18362」から新ビルドへの更新は行われておらず、このまま19H1こと「April 2019 Update」の名称で次期アップデートがリリースされることになりそうだ。
このレポートで指摘されていた現行の最新アップデート「October 2018 Update」(1809)のシェアが依然として低い問題について、ようやく普及の次の段階へと進み始めたことが確認されている。
ZDNetでメアリー・ジョー・フォリー氏が指摘しているが、Windows 10のリリース情報ページにバージョン1809のSemi-Annual Channel(SAC)の公開日が「2019年3月28日」であることが記載されており、企業向けの一般リリースがようやく開始されたことが確認できる。
先日も本連載で少し解説したが、企業向けWindows 10の配信では、まず新バージョンのリリースとともに「SAC(Targeted)」への配信が行われ、約4カ月後に「SAC」への配信、つまり広域配信が開始される。バージョン1809ではファイル消失問題で公式配信が1カ月半遅れた経緯もあり、SAC-TならびにSACのリリース日が、以前までのものと比べて1カ月半ほどずれていることが確認できるだろう。
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