連載
» 2016年02月14日 06時00分 公開

iPhoneゲームを5分でWindows 10アプリに変換する動画が話題鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/2 ページ)

人気のiOSアプリをWindows 10に取り込むため、Microsoftは移植が容易に行えるツールを用意した。その成果はまだこれからだが、YouTubeではiOS用ゲームを5分でWindows 10世代のUWPアプリに変換する動画が公開され、ちょっとした話題となっている。

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Windows 10世代のUWPアプリを増やしたいMicrosoft

Canabalt 今回はiOSアプリ(ゲームアプリの「Canabalt」)をWindows 10世代のアプリへ5分で変換したデモ動画のトピックを紹介

 「Windows 10」はPCやタブレットに限らず、スマートフォン、ゲーム機、IoTデバイスなど、幅広い機器に対応したプラットフォームだ。もっとも、既存のWindows PC(x86/x64)用に作られたデスクトップアプリケーションは、基本的にWindows 10 Home/Pro搭載PCで動作する一方、Windows 10 Mobile搭載スマートフォンでは動作しない。

 そこでMicrosoftは、全てのWindows 10ファミリーで動作する単一のアプリプラットフォームとして、「UWP(Universal Windows Platform)」を用意している。UWPアプリであれば、PC、タブレット、スマートフォン、ゲーム機(Xbox One)、そしてヘッドマウントディスプレイ(HoloLens)など、幅広いデバイスで動作させることが可能だ。

UWP(Universal Windows Platform) UWP(Universal Windows Platform)。Windows 10ファミリーの統合されたコアの一部として、同OSを実行する全デバイスで利用可能な共通のアプリプラットフォームとなっている

 本連載で何度も触れている通り、特にスマートフォン用OSの「Windows 10 Mobile」ではUWPアプリの拡充が課題となっている。これは、先行するiOS/Androidに比べてアプリの量と質で劣っているのが現状だからだ。また、UWPアプリはiOS/Androidにない「Continuum for Phones」機能をサポートするというメリットもある。

 ミドルクラス以上のWindows 10 Mobile搭載スマホはContinuum for Phones機能を備えており、スマホに外部ディスプレイやキーボード、マウスを接続すれば、スマホ用アプリ(UWPアプリ)をまるでPC用アプリのように利用できるのだ。そのため、UWPアプリの拡充は、iOSやAndroidに追い付くだけでなく、Continuumという強みを生かすために必要なポイントとなる。

Continuum for Phones Windows 10 Mobileスマホに外部ディスプレイをつなぐことで、UWPアプリをPC向けデスクトップアプリのように扱える「Continuum for Phones」機能。Windows 10 Mobile普及の鍵を握る機能と言える

 MicrosoftはこのUWPアプリを増やすための施策として、iOSやAndroidなど他のプラットフォームのアプリをUWPアプリへ容易に変換できる環境を整えるプロジェクト「Windows Bridge」を進めている。

 Windows Bridgeは、iOSアプリ、Androidアプリ、既存の.NETおよびWin32ベースのアプリ、そしてWebアプリからの移行を促すものだが、iOS向け(Windows Bridge for iOS)とWebアプリ向け(Windows Bridge for Web apps)以外は開発が遅れているようだ。この辺りの事情は、本連載のバックナンバーを参照していただきたい。

 さて、計画の遅延が指摘されるWindows Bridgeだが、ここへ来て少し明るいトピックが舞い込んできたので紹介したい。Windows Bridgeのツールを使って実際に「iOSアプリを5分でUWPアプリに変換する」というYouTube動画が公開されたのだ。

iOSアプリをWindows 10に集めるための「Windows Bridge for iOS」

 まずは、iOSアプリをUWPアプリへ容易に移植するための「Windows Bridge for iOS」について、簡単に説明しておこう。これは、iOSアプリのソースコードをWindows 10の開発ツールである「Visual Studio 2015」に取り込んで、将来的にモバイルを含むWindows 10プラットフォーム全般で実行可能なUWPアプリとして出力可能にするものだ。

 Windows Bridge for iOS自体はまだ未完成であり、変換元のiOSアプリの全機能が完全にUWPの形式に変換されるわけではない。ただし、Visual Studio上で(iOSならびにOS Xの開発言語である)Objective-Cを直接編集してコードを修正できるほか、Windows Bridge for iOS自体がGitHub上でオープンソースとして無償公開されており、興味のある開発者が自由に触れるようになっている。

 オープンソース化は開発者らの興味を引きつつ、バグレポートを含む情報収集による早期の改良を目的としているとみられ、今後の開発スピードアップが期待できそうだ。

Windows Bridge for iOS Windows Bridge for iOS自体がGitHub上でオープンソースとして無償公開されている

人気のiOSゲームを5分でUWPアプリに変換

 さて、こうなると実際に試してみたいと思う人は少なくないはず。オーストラリア在住でMicrosoft MVPの技術者であるデビッド・ブレーラ(David Burela)氏が、実際に同ツールを使って人気のiOSゲームを5分間でUWPに変換したことを自身のブログ上で報告しており、その様子を収めたYouTubeビデオを公開している。

人気のiOSゲームを5分間でUWPに変換

 今回の題材となったのは「Canabalt」というゲームだ。アダム・サルツマン(Adam Saltsman)氏によって開発されたシンプルな横スクロールの「エンドレスゲーム」で、操作はジャンプボタンのみ。障害物やアクシデントを避けつつ、ひたすら走行距離を競うゲームだ。もともとはFlashゲームとして公開されていたもので、現在ではiOS版Android版など、複数のプラットフォーム向けに配信されている。

 一方でCanabaltは、2009年にデビューした翌年の2010年時点でソースコードがGitHub上で公開されている。「ならばGitHub上で公開されているソースコードとWindows Bridge for iOS対応のツールを組み合わせて、実際にUWPアプリを使ってみよう」とブレーラ氏が試してみたのが、今回のYouTube動画というわけだ。

Flash版 Flashゲーム版の「Canabalt」。操作はジャンプのみという非常にシンプルなゲームだ
iOS版 こちらはiOS版のCanabalt
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