新型PCにおけるWindows 7/8.1のサポート期限が二転三転している。米Microsoftは8月11日(現地時間)、「Windows 10でサポートされるプロセッサ」に関するポリシー変更を発表した。これにはWindows 7/8.1を新型PCで利用しているユーザーに関係した大きな変更が含まれている。
2016年1月にレポートした通り、Microsoftは新世代プロセッサにおけるサポート対象OSをWindows 10に限定し、Windows 7/8.1など旧世代OSのサポートは行わないという計画を立てている。その対象は、主に2016年以降リリースされる予定のIntel、AMD、Qualcommの次期プロセッサだ。
一方、端境期である2015年後半に登場したIntelのSkylake(開発コード名)こと第6世代Coreプロセッサについては、当初「Windows 7/8.1をサポートするのは2017年7月17日まで」という限定条件が付与された。つまり、2017年7月17日を過ぎると、Skylake搭載PCはWindows 10しかサポートされなくなってしまう。既存のPCは、Windows 7が2020年1月14日まで、Windows 8.1が2023年1月10日までサポートされるにもかかわらずだ。
この件についてMicrosoftは「Windows 7は既に10年前に設計されたOSであり、必ずしも現在の最新ハードウェア環境にマッチしていない。デバイスドライバを含めて(Microsoftを含む)各社が個別対応でWindows 7サポートを行っている状態であり、ユーザーにとってもベストの体験ではない」と説明しており、「最新のハードウェアには最新のソフトウェアで」という考えから、サポートポリシーの変更に至ったと説明していた。
当然ながらこの発表は、ユーザーやOEMメーカーを含めて大きな反響があり、特にSkylake搭載PCを販売するPCメーカーや、社用PCでOSをWindows 7/8.1にダウングレードして利用している企業ユーザーの間では非常に大きな問題となった。Microsoftはこの声に反応し、すぐにサポートポリシーの再変更を行い、Skylake搭載PCについては「2018年7月17日まで」とサポート期間の1年間延長を発表している。
そして今回、サポートポリシーをまた変更し、「Skylake搭載PCについては通常のOSのサポートライフサイクルと同じにする」という方針を示した。これにより、Skylake搭載PCのWindows 7/8.1サポート期限が他のプロセッサ搭載PCより短くなってしまうという問題は解消された。
つまり、PC搭載のプロセッサがSkylakeであっても、Windows 7については2020年1月14日まで、Windows 8.1については2023年1月10日まで、もともとの延長サポート終了期限がそのまま適用されることとなったのだ。
なお、IntelのKaby LakeやAMDのBristol Ridgeなど、2016年登場見込みの次期プロセッサ群については引き続き「Windows 10のみがサポート対象」となっている。現状で分かりにくく、最も批判のあったSkylakeのサポートのみ対応を軟化させたわけだ。
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