Microsoftの「HoloLens 2」でコンピュータの未来はどうなる?:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/4 ページ)

» 2019年02月26日 06時00分 公開

 Windows 10 Mobileという足がかりを失ってモバイル市場からフェードアウトしたかに見えたMicrosoftだったが、同社はより強力な“兵器”を引き下げ、「モバイル」という枠を飛び越えてMWCへと戻ってきた。

 Microsoftは2月24日(欧州時間)、スペインのバルセロナで開催されているMWCに先立つ形でプレスカンファレンスを開催、長らく噂されていた「HoloLens 2」をついに発表した

HoloLens2 HoloLens 2を手にするアレックス・キップマン氏

Intelligent Edgeでモバイルの世界を浸食するMicrosoft

 今回のイベントでは、メインスピーカーの1人として米Microsoft CEOのサティア・ナデラ氏が登壇している。同氏は「Intelligent Cloud」と「Intelligent Edge」をキーワードに「クラウド+AI」戦略を推し進めているが、これは日々の生活や仕事の中にテクノロジーが浸透し、欠かせないものとなりつつあることに根ざしている。

 特に昨今の重要な変化としてナデラ氏が挙げる3つのポイントが、「コンピューティングはすでに単一のデバイスやデータセンターのみでなされるものではないこと」「AI」「デバイスではなく人を中心とした環境」となる。

 重要なのは、この技術トレンドや恩恵が医療から教育、産業、中小企業まであらゆる分野や組織に広がっており、それをMicrosoftを始めとする周辺のデベロッパーらが構築し続けていることだ。このパートナーエコシステムを基に、PCやモバイルといったカテゴリーを越えて共通の作業環境を作り出していこうというのが今回のテーマだ。

HoloLens2 米Microsoftのサティア・ナデラCEO

 パートナー戦略において、今回は特にIntelligent Edgeにフォーカスが当てられた。米MicrosoftコーポレートバイスプレジデントでAzure担当のジュリア・ホワイト氏は、2020年までに200億のネットワーク接続されたIoTデバイスが存在するとの予測を基に、「スマートフォンなどのモバイルデバイスの数を優に上回るインテリジェントエッジの世界がやってくる」としている。

 例えば、Starbucks Coffeeでは全ての店舗のコーヒーマシンにAzure Sphereによるセキュリティソリューションを導入しており、デバイスを保護しつつ必要な稼働情報を日々収集している。各種センサーと専用チップ、ソフトウェア、クラウドを組み合わせたサービスの1種だが、このセンサーデバイスの1つとして新たに提供されるのが「Azure Kinect」だ。

 初代Kinectとなる「Kinect for Xbox 360」が登場したのが2010年6月で、最終的に2017年末にPC向けを含む全Kinectが生産終了と発表された。とはいえ、深度センサーを組み合わせたリテールや業界向けソリューションを開発するベンダーの数は多く、こうしたユーザー向けに開発キットとして提供されるのが「Azure Kinect」ということになる。

HoloLens2 Azureを介したIntelligent Edge攻略やパートナー戦略について語るジュリア・ホワイト氏

 前述のように、開発キットとして「Azure Kinect DK」の名称で提供が行われ、ハードウェアの他に各種SDKが利用できる。基本的にはAzureに接続してデータ収集や解析を行うことを目的としているが、MicrosoftによればAzure以外のクラウドでの動作も可能だという。広角を生かした特定スポットの監視など、ニーズに応じてカメラの特性を変更することも可能だ。医療向けソリューションを開発するOcuveraでは、病院で患者がベッドから転落するのを防ぐ監視装置としてこの仕組みを活用しているという。

HoloLens2 深度センサーを備えたカメラ「Azure Kinect」を発表
HoloLens2 特定エリアのセンシングなど、アプリケーションに応じてカメラの機能を切り替えられる
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