Microsoftの「HoloLens 2」でコンピュータの未来はどうなる?鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/4 ページ)

» 2019年02月26日 06時00分 公開

百聞は一見にしかず、デモが凄さを物語る「HoloLens 2」

 そして今回のイベントの本命となるのが「HoloLens 2」だ。発表内容自体はシークレットとされていたが、すでに事前のリーク情報や周辺情報を含めいろいろと出ており、ハードウェアの面からはほぼ予想通りのものが出てきたといえる。

 SoCにQualcommのSnapdragon 850を採用しつつ、「HPU 2.0」と呼ばれるAI機能を付与するコプロセッサによって、10本指の細かいマニピュレーション操作が可能になり、さらにバッテリー駆動時間や視野角、装着の改善など、主に初代で問題とされていた箇所が的確に改良されており、ほぼ“順当進化”と呼べる仕上がりになっている。

 ただ残念なのは、一部で噂のあった値下げやLTE対応が行われなかったことだ。製品の性質上、スペックを落としてまで価格を下げる必要はないので価格面は今後の量産効果に期待だが、筆者として気になるポイントはLTEの非対応だ。おそらくバッテリー駆動時間の問題があると思われるが、後述のSpatial Anchorなどの仕組みの存在を考えれば、Wi-Fiも必要なく場所を選ばずに利用できるLTEの存在はHoloLensの使い方を一変させる可能性が高かっただけに、次世代以降のサポートに期待したい。

HoloLens2 満を持してHoloLens 2を発表する開発者のアレックス・キップマン氏
HoloLens2 前世代に比べ、ホログラムの解像度が2倍に向上している
HoloLens2 HoloLens 2における視界のイメージ。色分けされている中央部が前モデルの視界だ
HoloLens2 視野角は2倍になり、「覗き穴を見ているよう」という感じだった初代モデルとは別の体感が得られる
HoloLens2 何千人もの被験者の3Dモデルを使った改良作業と、ダイヤルを使った調整システムの採用で装着時の快適さは3倍になっているという

 このようにスペック面だけからHoloLens 2を見ると味気ないが、実際にこれらを組み合わせることで何ができるかを見ていくと、おそらく多くの人が「未来はここにあった」と感動を覚えることだろう。

 以前までのHoloLensは視野角の問題以前に、エアタップと呼ばれる特殊なクリック動作と視線移動の組み合わせでオブジェクトやメニュー操作を行っていたこともあり、スマートフォンを含む直感的な動作に慣れている人にとっては「何か違う」と違和感を覚える部分が大きかった。

 ところが、HoloLens 2で10本指を使ったマニピュレーションが可能になったことによって操作の自由度が大幅に向上し、10本の指を全部使ってピアノを弾けるようになっただけでなく、各種フィードバックを駆使して「(触感がないにも関わらず)実際にオブジェクトに触れられる」という新しい体験を得られるようになった。壇上のデモではこのあたりの新しい体験が余すところなく紹介されており、このあたりについては改めて記事で取り上げたい。

HoloLens2 AIを組み合わせた新しいセンサーシステムにより、10本指の追跡が可能になった。これでホログラムのピアノを演奏することもできる
HoloLens2 エアタップと、それに付随したドラッグ操作のみが可能だった前モデルに比べ操作の自由度が上がったことで、より自然な形でオブジェクトを操作できる
HoloLens2 このようなコントロールパネルの操作も指で直接行うことが可能だ
HoloLens2 触感フィードバックはないものの、オブジェクトの操作に“重み”をつけたり、音を付与することで、実際に触れているような感覚を得ることができる
HoloLens2 ハチドリを呼び寄せたところ
HoloLens2 手の動きを認識してハチドリのオブジェクトが追尾してくる
HoloLens2 デバイスを装着したまま、グラスを上にずらした状態

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